こじれた人間関係を修復するには

「声を掛けても無視される」「二人の板挟みで辛い」、生きているといろいろあるのが人間関係。一度こじれてしまった関係を元に戻すにはどうすればいいのか。産経新聞の「人生相談」に寄せられた相談内容を拝借し、スマイラーの発行人、森下篤史がズバリとお答えします。

長女と妹の不仲を修復したい

(相談内容)

今年古希の母親です。子供が3人いて、それぞれ家庭を持っていますが、長女と次女の不仲について、アドバイスをお願いします。次女は離婚後すぐに縁あって再婚。出産もしました。長女はそんな妹の身の振り方があまりにも早く、子供欲しさに焦って早まったのではないかと反対の気持ちから、かたくなになり妹との関係を断ってしまいました。私も当初は反対でしたが今では時々、次女を手伝いに行ったり、孫が来たりの関係です。長女も次女も子育てや仕事で毎日の生活が手いっぱいで、会わないままでも支障はないと思っているのかもしれません。でも姉妹が連絡もしない関係では悲しすぎます。私が生きている間に関係を修復させたいのですが、どのように進めたらいいのか、ご指導をお願いします。

引用:産経新聞 人生相談 2020年10月4日掲載

(森下)

この母親も姉さんも、次女が離婚してすぐ再婚してしまうことに反対だったんだよな。だけど、今は母親と次女は互いの家を行き来し合う仲までに戻ってきたということは、推測だが今の次女の家庭は悪くはないということだ。つまり、再婚は結果的に間違っていなかったということだろうね。だから長女と次女の仲を戻したいなら、まずは母親が長女のところに行って、「心配してたけど、大丈夫そうだよ」と次女の家庭の話をして長女を安心させることだ。ただし、長女に話すときに、次女の家庭を褒めて伝えると、さらに長女が頑なになる可能性があるから気を付けないといけない。きっと長女は、どこかで次女の生き方に面白くないものを感じていたんだろうよ。きちんと良い家庭も作れないのに、すぐに他の人に乗り換えた、というように高い所目線で心配していた部分が大きいと思うんだ。だから母親は、「あの時は私もあなたも心配したよね。あの子の身の代わりの速さといったらないよ。でもあんな人生もありなんだね。」そんなふうに、最初はひたすら次女の悪口を言いながら、だんだんと思い出話し、笑い話にもっていくようにする。これを何回か繰り返しながら、長女の気持ちをほぐしていく。この姉妹は最初から仲が悪かったわけではないから母親は“説得する”のではなく、長女の気持ちをほぐすことからやる。最初は、姉妹の旦那も読んでワイワイと食事をするような場を作りながら、姉妹の気持ちがほぐれてきたら一対一の関係も作っていくんだ。お母さん頑張って。

息子の嫁から一方的に絶縁されたというが、本当に一方的なのか?

(相談内容)

長男の嫁に突然、絶縁され孫にも会えなくなりました。原因は、次男(嫁から見れば義理の弟)が最初の妻と離婚できないまま、他の女性と子供を持ち、新しい家庭を築いたこと。嫁は、そんな次男に私が甘いと怒り、「私なら実家の敷居をまたがせない。許せない」とメールをよこし、それ以降、嫁にLINEを送っても既読にならず、嫁も孫も実家に遊びに来なくなりました。長男はこちらを気遣って孫の写真を送ってくれます。困らせると悪いので、長男に嫁のことを相談はしていません。嫁のことを娘のように思ってきました。あと何年もない人生、なんとか元の関係に戻りたいです。手紙でも書こうかと考えていますが、どうでしょうか。

引用:産経新聞 人生相談 2020年7月12日掲載

(森下)

相談内容は、次男が離婚しないまま他の女性と実質結婚して子供まで作ったことに長男の嫁が怒ったとあるが、これは違うと思うんだよね。恐らく、相談者は長男の嫁に厳しかったと思う。その嫁からしたら「あれだけ義母は私に厳しいのになによ。ふざけないでよ。」となっていると思うんだよね。だから次男の事件は一つのきっかけにすぎない。相談内容には「娘のように思ってきました」とあるが、娘(長男の嫁)からしたら“きついおっかさん”だったんじゃないかな。だって義弟が何をしようが、これくらいのことで義母と絶縁するなんてことはないはずだ。もしくは、お義母さんが嫁に厳しくて、それで長男の嫁と次男の嫁が意気投合して仲が良かったのかもしれない。恐らくこの家庭は嫁に対する義母さんの接し方が悪い。

手紙を書くことは良いことだが、手紙には自分(義母)はあなたに対して相当反省していることをA4ページ3枚分を書いた上で、あなた(長男の嫁)と会いたいということを書かないとだめだよな。「こうなった原因は私にある。あなたにも辛い態度をした。悪かった。だけど私もこの先短いし、こういう関係ではいたくない。」と反省文が3枚もあれば勘弁してくれるよ。自分が寂しいから会いたいと自分の都合を訴えたり、相手に要求するような手紙ではいつまでたっても関係は戻らない。あとは、何かあるたびに、ちょっとしたお土産や、下手でもいいから手作りの何かを渡すようにする。あまり高いものではなく、ちょっとした気遣いのあるものを渡すんだ。これを続けているとだんだんと相手の心もほぐれて、許してくれるようになる。大抵の人は、その一瞬一瞬は怒っていても、ずっと怒り続けるということはできないんだからね。

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記者:スマイラー特派員
乙丸千夏(テンポス広報部)