明日の自分を作るために 仕事にどう向き合うか | smiler vol.53

真面目に一生懸命過ごしていても、ふと「何のためにやっているんだろう」と思う事はありませんか?人生を歩む中で何が大切かをお伝えします。

我慢する・辛抱する・工夫する事をいつも頭において挑戦し続ける

「8050問題」が社会問題となっている。80代の高齢の親が50代前後の引きこもりの子供を養い続けているという問題だ。内閣府の調査では、40~64歳の中高年で引きこもり状態にある人は、全国で61万人いると推計されている。10年後、親が亡くなり面倒をみる人がいなくなった時、その61万人が生きていけなくなってしまうということだ。

だが、昔はそうではなかった。なぜ中高年の引きこもりが増えたかと言うと、親が子供に我慢をさせるということを教えられなくなったからだ。昔は、子供が学校に行きたくないと言えば、張り倒される時代だったが、現代は、「学校に行きたくないよ」と言われると、優しい親はそれを見ているのが辛くて、子供のわがままを許してしまう。子供が成長していく過程の中で、ありとあらゆることを我慢させて、社会のルールに従って生きていくということを教えないといけないのにそれが出来ない。その結果が日本国中で働かずに高齢の親に食わせてもらう人を出すという状況を招いている。だから、「8050問題」は、厳しく育てられなかった親が作り上げた結果であり、ある意味、自業自得みたいなものだよ。

競争社会で生きていけるような知識と経験を積ませない限り、「僕は嫌だ」「私はやりたくない」というわがままは社会では通用しない。だから、競争社会で生きていけるように、我慢させる、辛抱させる、やった事がないことをやらたり、無理だよと思う事をやらせながら育てないといけないんだ。子供が今出来る能力の範囲で、楽しみながらやらせるような育て方では競争社会で生き残れる大人になれない。だから、社会で一人前になるためには、新卒でも中途社員でも「我慢する」「辛抱する」「不平を言わない」をすることが第一条件である。

我慢する辛抱する不平を言わない人が幸せになれるわけではない

一人前になるためには、「我慢する」「辛抱する」「不平を言わない」の3つが条件だと話したが、それが出来たからといって幸せになれるわけではない。なぜなら、どれも耐えることばかりで、明日に向かって生きていくということをしているわけではないからだ。我慢したり、辛抱するだけでは、常に変化していくビジネス世界では生きていけない。だから、「我慢する」「辛抱する」「不平を言わない」を、どこに利用するかが大事だ。では、何に利用するかというと、「工夫改善」だ。明日に向かって、明るい未来を創るためには、我慢する・辛抱する・不平不満を言わないことは絶対条件だけど、これに加えて「工夫改善していく」ということをやっていってくれ。

いつも目的をもって仕事をすること

「いつも目的を持って仕事をする」とは、仕事だけに限らず、生きていく上でも、ものすごく大事なことである。ふと、「何のためにやってきたのだろう」と思う時があるだろう? 世の中は、毎日真面目に一生懸命、不満を言わないで生きている普通の人がほとんどだ。だから、「自分の人生を作っていくぞ」という構想は頭に無い。結婚する時も、単に夫婦で幸せになりたいと思っているだけだから、結婚してすぐにつまづく。例えば、正月に嫁の実家に行く、もしくは自分の実家に行くとする。その時に、「あたしは、あんたと結婚したけど、あんたの実家に行かないといけない理由なんてないよ」と言い争いになる夫婦がいるが、これは、結婚する時に「どんな家庭を築きたいか」という目的がはっきりしていないからだ。もし、目的がはっきりしていれば、正月に実家に行く行かない程度のどうでもいいことで言い争いにはならないよ。

大学だってそうだ。大学に行きどんな経験を積み、どんな知識を身に着けるか、その考えがなければ、毎日楽しく過ごしてあっという間に4年間が終わってしまう。俺は6年大学に行ったけど、博士課程をとったわけではない。ただの登校拒否みたいなもので、学校に行かないで単位を落として6年だ。本当にろくでもない人間だったね。だから、皆さんには何のためにやるのか、どんな状態になれば人生の合格か、この考えを持って勉学にも仕事に取り組んで欲しい。

自分は何のために仕事をしているのか

「ステーキのあさくま」に行った時、きびきびと働いているパート社員がいた。そこで質問したんだ。「あなたは何の仕事をしているんですか?」と。すると、「はい、私はステーキをお客様に運んでいます」と答えた。そりゃそうだ。ステーキを提供する仕事だ。だが、何のために仕事をしているのかと捉えられるようになると答えが違ってくる。自分は何のために仕事をしているのか、それは、お客様がお店にきて、「本当に楽しかった」「良い時間を過ごさせてもらった」と思ってもらいたいと目的がはっきりすれば、ただ単にステーキを提供するという仕事から、お客様に良い時間を過ごしてもらうために気配りをするようになるし、提供する時の表情だって違ってくる。これが目的を持って仕事をするということだ。

会社の事、家庭のこと、今自分は何のためにやっているのか、そして取り組んだ結果がどんな状態になれば合格かということを考え直すだけで、行動が変わり良い人生になっていく。この機会にぜひ考えてみてください。

働く者の心得

  • 諸君はリサイクル屋に入社したのではなく「フードビジネスプロデュース」の会社に入社したのである
  • 全てを自分で決める事、人のせいにするな
  • 我慢する・辛抱する・工夫するのをいつも頭において挑戦し続けろ(簡単にやめるな!)
  • いつも目的をもって仕事をすること(人生も同じ)
  • 指摘するだけ、言うだけの人間は要らない。自分がリングに上がれ
  • 300億の会社に入社したのではない。これから1000億になる会社に入社したワクワク感を忘れるな
  • 自由競争と市場原理の中にいる会社で働いていることを忘れるな
  • 額に汗して油で汚れて働く百姓テンポスが一番偉いが評価が低い時もある
  • 損得勘定で働くな、損得勘定を持ち出すな。
  • テンポスの教育とは更に重い荷物を背負わせることである
  • 人の改革よりも自分の改革が第一と心得よ

関連記事

▶smiler vol.44 中小の飲食店が目指さなければならないこと
▶smiler vol.45 自分の人生を作るのは自分自身である
▶smiler vol.46 他人の目を気にせず「自分らしく生きる」とは
▶smiler vol.47 人間関係を築ける人と築けない人、自分の感情をコントロールする術とは
▶smiler vol.48 集客ができない!騙された!仕事のピンチの乗り越え方
▶smiler vol.50 前向きに生きるか後ろ向きに生きるかは自分次第smiler vol.50
▶smiler vol.51 すべてに感謝することが幸せになる一番の近道
▶smiler vol.52 価値ある人生を送るために今日一日をどう過ごすか

smiler52号 森下篤史

(記事:乙丸)