【上野 宮崎地鶏と焼酎の店 呑喜】昭和仕込みのあげまんオンナと 兎に角、人にツイテるオトコの不思議なベクトル

脱サラから居酒屋を開店、当時を振り返り今を思う。同じ屋根の下に暮らす共にバツ2な2人。店主の妻は、店を手伝うこともあった。一緒に悩みもしたし、ケンカもする。だけど休みの日には必ず一緒に出かけるのは、いつしかはじまった2人のルーティン。近い距離にいながら絶妙な距離感を保つ。そんな2人がそれぞれ持つ相手と店に対する想い。不思議なことに向かうベクトルはなんとなく同じだった。

オトコのベクトル 細川則博(呑パパ)

兎に角、私は人にツイテる。サラリーマンを辞めて、宮崎地鶏と焼酎の店をやろうと思ったら、よく通っていた店のマスターの親戚に、「宮崎地鶏の店やってる人がいるよ」と、紹介してもらい運良く修行をさせてもらった。そこでメニューも沢山教わりました。そして脱サラから念願の店を開店。さらにネットで知り合ったのは、今や超売れっ子コンサルのあのお方。その方を通じて、あれやこれやと外食業界を支える、けっこう有名人とも繋がりを広げていくこととなりました。
そんなこんなの試行錯誤を続けている最中に、誰とでもすぐに仲良くなってしまうという、不思議なチカラを持ってる女と、うちの店で出会ったんです。その不思議な女が、さらにお客さんとの輪を拡げてくれ、そいつしか嫁になっていたという次第。嫁は少しの間、店で働いてくれたこともあるけれど、やっぱりカウンターの外で客というポジションが似合うということで、今は別の仕事しています。もちろん今でも、良く店にお客さんをつてれて来ては、店を盛り上げてくれてます。プライベートや客としても、たまに腹もたつことはあるんですけれど、これも一種の内助の功とでもいうのでしょうか、心の中では感謝&感謝の日々なのです。

オンナのベクトル 細川美和(ミワっち)

呑パパとの最初の出会いは9年前の3月。「呑喜閉めようかな? まぢで金ね~」と、思っていたという、そんな時期に、私はプロポーズされたんです。当時、借金こそなかったらしいんですが、とあるコンサルさんから、「借金してでも今の店は続けてみろ!」と言われたらしいですね。確かに私もこの店はイケると当時は思ったし、この人なら大丈夫という打算も含めプロポーズを受け入れました。今となっては宇宙人みたいな私に、プロポーズしたことをパパは後悔してるかもしれない、なんておもいつつね。
今となっては呑喜も14年目。私は勝手に「あげまん(今時使わないか?)」だと思っています。だってこうしてお店を続けているわけですから。私が何をしてあげたかって? コロナになって、本当に店が続けられるのかと、不安でしょうがなかったと思うのですが、私は呑気に別の仕事をしながらお給料をもらい、彼のイライラもつゆしらず、夜も眠れないくらい悩んでいたのも感じずに、呑気にグウグウ寝ていました。今になって私って、ヤベーやつなんじゃない? とか思ったりもしているのですが。まあ、でも最近の呑喜は、オープン当時くらいの波はあるようですが、お客さまも戻りつつあり、私のあげまんパワーはなにかしらのカタチで続いてるんだな、なんて思う今日この頃です。

◆取材協力
宮崎地鶏と焼酎の店 呑喜(DONKI)
東京都台東区上野1-11-1
☎︎03-5980-8788

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