売れない営業マンや、強く言えない上司が、相手の「NO」を「Yes」に変えるには?

どんな職業でも相手に「Yes」と言わせないといけない時がある。その相手は、お客様からもしれないし、上司や部下、同僚かもしれない。今日は、「NO」から「Yes」に変えるとっておきの方法を話すとしよう。

テンポスを創業する前、俺はサラリーマンをしていたが、入社して半年間は全く売れなくてね。それでトップ営業マンに頼み込んで鞄持ちをさせてもらった。でもあの時は驚いたよ。俺は真面目な性格だから、「他社との比較はこうです」「こういうメリットがあります」と資料使って営業の本もたくさん読んでその通りやっていた。だけど鞄持ちした先輩は違うんだ。「今月、ノルマが厳しいんです」と言ってパッとその場で頭を下げる。お客は、「あんたのノルマなんか関係ないよ。いらないよ」と言って仕事に戻る。店主の姿見えなくなると、先輩は椅子に座り直してお茶を飲み始める。そしてまた店主が来ると、また床にパッと頭を下げるんだ。店主は「まだ、いたのか、買わないよ」と言ってまたどこかに行く。そんなことをずーっと繰り返すんだよね。そして最後には「いらない」と言っていた店主が、「わかったよ。買うよ」となってしまうんだ。買わないって言っていた人が買ってしまうんだよ。すごいよな。

お客さんの「NO」の返事は聞き流す

半年間全く売れなかった俺だったが、鞄持ちをきっかけに売れるようになっていった。営業マンだけで2000人いる会社で3年連続全国一にもなった。その理由の一つは、お客さんに否定的な事を言われてもあまり気にしなかったからなんだ。というのも、お客さんの言う「NO」はその時はそうかもしれないけど、気持ちは変わってしまうということを鞄持ちで見てきたからね。もし、お客さんから「いらないよ」と言われた時、こう思う事にしていた。「今日はいらないのか」ってね。確かに、「いらない」と言ったのは事実なんだけで、それは今日はいらないだけで、一生必要ないと言ったわけではない。だから、断られてから何日かしてまたお客さんの店に行く。

森下:こんにちは!

お客:いらないと言ったじゃないか

森下:たまたま通りかかったんで社長の顔見にきたんです。また来ますから

お客:来なくていいよ

森下:まぁそんなこと言わずに

そんな調子でまた後日、平気な顔して「こんにちは!」て店に行く。すると、最初はNOだと言っていたお客さんも、何度か顔を合わせるうちにだんだんと打ち解けて話をするようになってくるんだ。俺も世の中で全く役に立たない物を売っているわけではないから、打ち解けてくると相手も買っても良いかなという気持ちになってくる。売れない営業マンは、NOだと言われた言葉を、言葉の通り信じてマイナスな行動をするから成果に結びつかない。

例えば研修で可愛い子がいたとする。仲良くなりたいと思い「ご飯に行こうよ」と誘う。でもその男の顔はブサイクだし、話が面白いわけでもない。女の子は可愛いしスタイルも良いから、きっと他の男からも声を掛けられているはずだ。だからその子からしたら、お前は8番目の男というわけだ。女の子はご飯を誘われたら「いいよ!」とは言うけど、お前は8番目の男だから飯に行けるのは4年後の夏。でも、ここからが大事だ。相手はあなたのことが嫌いでNOと言っているわけではなく、ただ優先順位が低いだけだ。だから、明るい顔で「ご飯行こうよ」「ラーメン行こうよ」と声を掛けているうちに、気心が知れて、1回くらいは食べに行ってもいいよ、となってくるんだ。

俺の年齢になっても50億、100億規模の会社を買収しようと、相手の会社の社長に「業務提携やりませんか」「会社を任せてくれませんか」と話をするんだけど、だいたいの人はいらないと言う。「森下さんに買ってもらわなくてもいいよ。余計なお世話。」ってね。だけど、世の中いつどうなるか分からない。だからその時は断られても、めぼしをつけた会社には半年に1回は「社長、こんにちは!」て訪問する。すると時々、「で、いくらで買うつもりんだよ」と話しになるからね。

大事なことは、NOと言われた時は、相手はその場で言っているだけで、真に受けないということ。それは一緒に働く上司や部下同僚も一緒。その場だけのNOを真に受けてマイナスの行動をしていては、良い人間関係を作ることもできないし、仕事を成功させることもできないよ。

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記者:スマイラー特派員
乙丸千夏(テンポス広報部)