52号から続けてきた「働く者の心得」シリーズも本号で最終回。リーダーのあなたに伝えたい、「人を育てるとは」「商売を上手く進めるためには」をおおくりします。
テンポスの教育とはさらに重い荷物を背負わせることである
人を育てるって難しいよな~。一生懸命働く部下に新しい仕事を任せるとどうなると思う?期待してしまいそうになるけど、たいていの人は辛くて辞めてしまうんだ。なぜなら、その人は一生懸命働くけど、「事業を大きくするぞ」と思って仕事をしていない。ただ単に会社に真面目に一生懸命に働きに来ているだけで、仕事は平穏無事に進めばいいと思っているからだ。つまり見かけには一生懸命働いていても、将来に向かって仕事に取り組むエネルギーが溢れているわけではないから、そんな人に、新しい事をどんどん任せてしまうと、任された本人が辛くなってしまう。だからといってリーダーは部下は育てないと会社は発展しないから、真面目に一生懸命働くタイプの部下には、「大丈夫かな?」「辛くないかな?」と気にしながら、ちょっとずつ負荷をかけていかないといけない。
一方で、仕事がもの足りなくてよそへ逃げてしまう人もいる。目標に向かって高いステップを目指すとか、志に向かって自己改革をするようなエネルギーの塊のような人は、負荷が無いと仕事が面白くない。「あれをやりたい」「これをやりたい」という気持ちがあるのに、そのチャンスが無いというのはストレスになる。周囲や上司は、その人の目標に合わせた負荷を与えなければならない。
人を育てるときは、ちょっとずつ負荷をかけるべきか、たくさん負荷をかけるべきか見極めることが重要だ。しかしどんなタイプの部下であっても、出来る範囲の中で仕事をやらせているだけでは能力はアップしないよ。さらに重い荷物を背負わせることが教育である。
人の改革よりも自己の改革を第一と心得よ
良い夫婦関係を築いている人と、そうでない人の違いってなんだと思う?それは相手に要求をしているかどうかだ。「ああして欲しい」「こうして欲しい」と要求するから、相手も嫌になって関係が悪くなっていく。だから夫婦関係を良くしたいなら、まずは要求を捨てる事。そして自分を変えることだ。不思議なことに、自分が変われば、相手もおのずと変わっていく。だから要求は捨てて、自分が良い人間になる努力をしなければならない。
夫婦関係と同じで、会社で部下に要求するのは一番早くて楽チンだけど、要求しても部下は簡単には変わらない。だから、リーダーは、部下が自分から変わりたくなるような仕掛けを作っていく。その仕掛けの一つが、まずはリーダー自身が変わること。出来の悪い部下ばかりだから嫌になるかもしれないけど、嫌になってしまったらおしまいだよ。部下が変わらないのは、自己改革の観点からいえば、自分の言い方、伝え方が悪いということだ。ひたすら自分のやり方が悪いから、部下が思うようにならないと考えなければいけない。リーダーは自己改革をしない限り、部下はいつまでたっても変わらない。
飲食店経営者も同じで、お客さんが来ないのは、自分のやり方が悪いとまずは思うこと。お客さんが減っているのに、「この料理は私の命だから変えないよ」と思っているなら、それはただの独りよがりである。寝言を言っていないで、お客さんが喜ぶ料理に作り変える。経営者やリーダーが人を育てたり、商売をうまくやっていくためには、何をおいても自己改革から始まるということを忘れないでくれ。
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記事:乙丸