ゴリップグループ 洪社長 ロングインタビュー part3

ゴリップのマニュアル作り

雇用したての1,2か月の時に、どれだけ気持ちがつながって教育できるか、ここを逃してしまうと即、人材の流出につながってしまう。

『Teachme Biz』の良いところはSNSに投稿するかの如くマニュアルが作れるところ。そこで新卒性にマニュアル作りで質を競わせることにした。ゴリップが求める笑顔とは?30人いれば30通りのマニュアルができる。研修で学んだことをすべてマニュアル化するにしても作り上手と作り下手があって、理解できても表現力に差が出てしまう。それぞれの項目でNo.1を人事部が決めて一番多くNo.1を取った人が合宿のMVP。次の年も同じことをする。するともっと良くできたマニュアルが作れる。

上層部がマニュアルを作らなくても新卒生のやる気によってマニュアルはどんどんレベルアップしていく。良いものはすぐに入れ替えていく。研修では教わるだけでなく、マニュアル制作という教える立ち位置に立って始めて頭の中に入ってくる。人の気持ちに立って物事を考えられる人、こういう説明が一番わかりやすく考える、この仕組み自体が『Teachme Biz』の一番優れたところだ。

現在のフェーズでは、ゴリップではプレイイングマネージャーは存在できなくなっている。社員250人、アルバイトスタッフ1,800人。全員にわかりやすいマニュアルとは何か?それは相手の気持ちに立って作られたマニュアルだ。そのためゴリップでは『Teachme Biz』の動画マニュアルを導入した。どれくらいの速度で入り口まで歩いて来店客を迎えに行くのか、どういう元気でお客様を迎え入れるのか、引継ぎのスタッフにどうやって伝えるか。ホールに響き渡る声で伝えなさい、と文字だけで表現してもゴリップが求める空気感は教えられない。

ゴリップのマニュアルはブランドごとに作っている。ブランドごとに細かい部分が違うためだ。1ブランドあたり500項目をすべて見直すプロジェクトが現在進行中。なぜなら、スタッフ、社員が一番嫌がること、テンションを落とすこととはAさんとBさんの言っていること、指示が違うこと。そこにCさんがまた違ったことを言い出すと、何が正しいのか指示を受ける側の人は、どっちが正しいのかを通り越して、どうなってんのこの会社、と会社不振になり、退職理由になってしまう。

せっかくお金を掛けて採用した意味がない。そのため、マニュアルは常に最新のものを会社は提供しなければならない。マニュアルが整備されていないということは従業員に対する思いやりが足りないのだ。ゴリップのLはLove。そこに愛はありますか?と常に説いて回っている。

マニュアルで空気感とか感覚の話をするのはタブーだが『Teachme Biz』だと動画を使って伝えることが出来る。ゴリップの空気感とは、ゴリップ人としてこういう風に働いてほしいということ。だから動画マニュアルに登場する人物は、フレームからはみ出して、その人となりがにじみ出ている。

しかし、マニュアルは企業としての最低限を整えてくれるものだと思っている。逆にマニュアルで最高のものを求める会社って、どんなんやねん!と思う。『Teachme Biz』があるから完璧でない。マニュアルを活用できる仕組みを使ってオレは~~~してやる、と思わせることが大事。ゴリップでは~~~の部分を「お客さんの心をえぐってこい」「お客さんの心臓を引きずり出せ」という教育をしている。

会社が大きくなってくると、どうしても仕組みでカバーしようと考えるが、それは間違いだ。気持ちが乗ってなかったら誰もやらない。

組織をキッチリ機能させるには面談。面談が最も重要だ。面談とは店のことを思ってしゃべる。どんな内容でもいい。店長がそれをまとめて報告する。次にエリアマネージャーとエリアの店長たちが報告書を作成し、ブランドマネージャーがすべてをまとめ上げる。

100の優れたアイデアより60のアイデアでも情熱のあるほうが勝つ。絶対にカタチにしてやるぞという気持ちはすべて面談から吸い上げた内容を、予算管理から人材教育、ブランドの未来まですべてに責任を任されたブランドマネージャーにかかっている。