コロナが“明けたら”何をする?

2021年2月14日日経新聞の朝刊にて、業績予想を開示していた上場企業の33%が上方修正したと報道されました。この状況をあなたはどう分析しますか?

前回の記事ではコロナ禍の中、今選択する道は、「じっと耐える道」もしくは「チャンスと捉えて新しいことに挑戦する道」、どちらの選択が必要だと話しましたが、今回、この報道を見た私の考えをお話させて頂きます。

2021年1月、テンポスにくる閉店依頼は前年を下回った

2020年4月、第1回目の緊急事態宣言が出た時は、テンポスに買取依頼する件数が2倍に増えた。未曾有の事態に、オープン3カ月目で閉店する店、これまで赤字だったため早々に閉店を決断した飲食店、大手チェーン店の閉店等、とにかく閉店依頼が多かった。しかし第2回緊急事態宣言が発令された2021年1月の買取件数はコロナ前の前年よりも下回った。なぜなら、助成金が支給されているため、わざわざこのタイミングで閉店する飲食店は少ないからだ。しかし、これは飲食店は点滴を受けている状態。いつ閉店してもおかしくない店が大多数である。

このように外食業界はまだまだ回復の見通しがつかない状況だ。しかし俯瞰してみると、世の中は少しずつ回復してきている。2021年2月14日日経新聞では、上場企業のうち3社に1社は業績見通しを上方修正に引き上げ、これはリーマン・ショックからの回復時を上回るとのこと。さらに2月16日には日経平均株価が30年半ぶりに3万円の大台にのった。コロナの煽りを受けた一部の不幸な外食やサービス業界だけを見ると、まだまだ不景気は続くように感じるが、全業種で見れば景気は回復してきているのだ。

コロナ明けは“割引”という痛手は買ってでもやる

景気が回復しているということは、収入があまり減っていないということ。また外出自粛でお金を使う機会が減少したため貯金も増えている。となると、コロナが明ければ、一気に今まで我慢していた人たちがお金を使うようになる。飲食の観点から言えば、家族や友人との食事の機会が増えていく。その時に備えて、飲食店は家族客や複数の友人同士が行きたいと思う販促を仕掛けていく。例えば、母の誕生日に来店してくれたら、母の食事は無料にするとか、夫婦で来店してくれたらどちらかを無料招待するとか、とにかく店に来てもらう仕掛けをする。それも、1組や2組の話ではない。“わんさか”家族客が来るような企画を立てないといけない。「そんなことをすると利益が確保できない」だって? 今は、利益を確保するよりも、「うちの店は生きていますよ」を知らせることの方が優先だ。今は終戦直後の異常な事態なんだから、コロナで借りた借金返済は後回し。このタイミングを逃してはいけない。ぼーっとしててはいけないよ。

3月に緊急事態宣言が解除されたら、その後2、3日は、感染者数はどれくらい変化したか、外食・サービス業界の数値はどう変化したか、報道にアンテナをはっておく。もし外食業界も景気回復の兆しが見えたら、わんさか来る企画をどんどん打ち出していく。POPも店の壁一面にぎっしり貼るくらいやる。反対に、緊急事態宣言解除後もコロナの異常事態が長引くようなら派手にやらない。世の中が収まるまでじっと耐えるか、閉店する。少し利益が出ているなら、社員教育するとか、外食以外の会社をM&Aするとか、企業の体質を変えていく。だから、この1カ月はアンテナを張っておくこと。緊急事態宣言後、他の飲食がどうなっているか、感染者数はどうなったかニュースを見てもよく分からなければ、「他の店はどうですか?」とテンポスに聞いてくれ。だからこれを読んだ、テンポス従業員諸君、「え、知りませんよ」となんて言わないように準備しておくれよ!

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記者:スマイラー特派員
乙丸千夏(テンポス広報部)