ゴリップグループ 洪社長ロングインタビュー part 1

ゴリップとスタディスト社との出会い

規模の拡大、成長戦略を取り始めてから、労働集約産業の典型としての外食産業でも食のIT化を言葉遊びではなく、外食の未来を描けたところが勝つのだろうとは思っていた。

ゴリップが提供したい価値とは、無人の飲食店にお客がやってくるようなものではなくて、店をプラットフォームにしてお客様同士の会話の場、食事、お酒を楽しむ場を提供し続けるというものだ。

そこで重要なのは人。企業とは人なり。労働集約型の典型である外食産業が売り手市場の中でしっかり雇用していくことが重要だ。

外食産業の地位向上は無い、とゴリップでは考えている。学生アルバイトは学生の期間だけ働く職種。就職は上場企業、ベンチャー企業というイメージはぬぐい切れない。

そんな中で外食産業に興味を持ってくれる人たちについては、ゴリップは企業の規模が大きくなってきたので、新卒採用は順調だ。質も上がってきた。しかし、出店するかしないかわからないのに新卒をドーンと採用するわけにはいかない。となれば中途採用。出店戦略には時期があるので、他業種が4月に一括採用するのに対し、空が出たら中途採用、外食は店舗の出店とともに採用するのが基本だ。例えば、6月に店舗出店となれば、2,3月に新店舗に充てる人を雇用していく、という感じで年間ずっと中途採用を続けていかなければならない。

そこで問題になってくるのが中途採用の質の問題。1を言って1出来たら奇跡だ。7ヒッツ理論と言って同じ熱量で7回同じことを言ったら8回目は出来るはずだが、100回言っても出来ない人はいる。こういう中で4~5年前から出店戦略、拡大戦略を展開している中で、徐々にゴリップの血が薄まっていること、店舗での再現性が低いことが課題となっている。つまり、もはや気持ちだけではやっていけなくなってきた。

業態開発が上手なゴリップという評価はいただいているが、それにはコンセプトがしっかりしていて、開発、オペレーション、その結果としての数字。これらを実現する為にまず本社、支社でミーティングを徹底的に行い、テストキッチンでオペレーションを何度も行い、店舗への落とし込みを完成させる。しかし、結果としての数字が上がってこない。原因は人である。オペレーションを受け入れる箱、つまり店舗で繁盛するイメージができていなくて穴がポッカリ空いている。商品のクオリティの担保、ホールサービスのクオリティの担保が抜けていたのだった。原因は人にあった。

そんな時に、サッポロビールのFBS(業務用マーケティング部)の担当者から、面白いソフトウェアを開発された会社があるよ、と紹介されたのがスタディスト社の『Teachme Biz』だった。