全国に300店以上点在すると言われるラーメンチェーン店「ラーメンショップ」。関東近郊では「ラーショ」という愛称で親しまれ、数百ある店舗それぞれが独自の味で地域に親しまれています。
「ラーメンショップ」の名称は、東京都大田区羽田の椿食堂(現在はGOOD MORNIGラーメンショップ。家系総本山の吉村家の吉村実氏がここで働いていたといううわさもあります)が最初に「ラーメンショップ」という名前を使い始めたとされています。この店の裏に位置する椿食堂管理が本部なのですが、創業者の意向により開業以来一切取材には応じていません。
椿食堂管理はチェーン店(フランチャイズ)とは言っていますが、材料やレシピ、店舗デザインなどの制限はそれほど厳しい訳ではなく、個人経営店の緩やかな連合体といった性格を持つと言われています。そのため各店舗が個別に取材を受けることまで禁じていません。
独自に勢力拡大に努める「ラーメンショップAji-Q」
そんな「ラーショ」のなかでも、独自に勢力拡大に努めるのが「ラーメンショップAji-Q」です。「Aji-Q」は秋田県を中心に地盤を固め、秋田県内に12店舗、岩手県内に7店舗を構えています。「Aji-Q」のFC店舗は「フランチャイズ店」ではなく「グループ店」と呼ばれ、篠木社長の「100人の店舗、社長を作ること」という思いから来ているそうです。
今回取材させていただいた「Aji-Q田沢湖店」に異色の経営者が誕生しました。
2020年11月4日にオープンしたばかりの「Aji-Q田沢湖店」のオーナーは何と28歳という若さで独立を果たした女性経営者、千葉真利奈さん。前オーナーから店舗を引き継ぐにあたって、相続の関係で一年を要してようやく開店に漕ぎ付けたというから、新オーナー千葉さんがそこまでしてこの店舗のオーナーになろうと思った理由とは?
一度は閉店した「Aji-Q田沢湖店」を復活させた
オーナーの千葉真利奈さん、開店前は近くのラーメン店で働いていたというから、根っからのラーメン好き。しかしその店の店長は、千葉さんのお母さんでした。自分もラーメン店を経営してみたい!とはずっと思っていた。なぜなら、ラーメンを食べるお客さまのあの至福の表情を見るのが何よりスキ!!だから。
前のオーナーがやっていた「Aji-Q田沢湖店」へは小さな頃から通い詰めた大好きなラーメン店だったそうです。「閉店だと知った時は悲しかったです。あの「Aji-Q田沢湖店」のラーメンは自分史上最高のラーメンなんです。それがもう食べれないと思ったら、、、私はどうしてもあのラーメンが食べたくなる時があって。食べないと元気が出ないんです。」
というわけで、店を継ぎたいと直談判。社長を作る事をモットーとするAji-Qも千葉さんの想いを叶えてあげたいと交渉開始。結局、相続の関係で一年を要することになったが、このたびようやく千葉さんが引き継ぐことが出来ました。
Aji-Qといえば、ちょっと辛めの南蛮ラーメン
取材時、開店一ヵ月にも関わらず、メニューを見て注文するお客さまはほとんどいない。着席するや否や「南蛮!!」とコールが店内に響く。
ヤバい、すでに固定客を掴んでいる!
実は、秋田には朝ラー文化が根付いているとはいえ、田沢湖店付近の住民は6,000人の過疎地。地域特性に合わせて営業時間を11時~20時としたそうです。
「地域住民とトラックドライバー、いつものお客さまがいつもの時間に、そして観光客がふらっとやってきても安心して美味しいラーメンが食べれる、そんなお店を目指します。」
最後に真利奈さんは「みんなに愛されるお店を作りたい」と語っていただきました。でも、もう十分愛されていると思います。この私も含めて。
Aji-Q田沢湖店 秋田県仙北市田沢湖生保内字船場76-3 ℡0187-43-1068
香西 剛(テンポス盛岡店)