チャ色のビーガン物語

ビーガン居酒屋「真さか」 マネージャー 滑川 裕大

日本でビーガンというとお洒落なカフェやオーガニックな店がほとんどですよね。もっとビーガンを身近な存在にしたい!というコンセプトで入りやすい町中華風の店構えの居酒屋「真さか」をご紹介します。町中華のイメージ通り、昼はランチ定食、夜はビールやサワーとおつまみ。どちらも人気メニューは唐揚と餃子。この2つのメニューは外せません。では普段の食事に近いところのビーガンとは?試行錯誤の末に完成した唐揚とは?マネージャーの滑川氏にお聞きしました。

コロナでビーガンになりました

コロナは自然破壊、温暖化もウイルスまん延の一因?といった環境問題から来てるんじゃないかという説あるそうです。そもそもコロナって原因が分からないし。そう考えるとビーガンの動物保護のイメージとコロナが重なっても不思議ではないですよね。ライフスタイルにビーガンを取り入れる人ってたくさんいらっしゃいますしね。

「例えば牛が排出するメタンガスだったり、CO2削減だったり。そういう世の中の課題について自分なりに考えた結果、私はビーガンになりましたという人もいるし、コロナがきっかけで環境問題を考えるようになった人もいらっしゃいますよ。だから6月頃からここ「真さか」の客数も増えてきていますし、若い女性の来店も目立つようになってきました。」

大豆ミートを使った唐揚

「真さか」の料理は全てビーガンなのです。でも、それではビーガンの人口自体が少ないのでビジネスとしては難しい部分があるのではないだろうか。

「そもそも我々が目指しているのはビーガンだから美味しくない、ではなくてあくまでも美味しさを追求しています。唐揚で言うと10種類のソースがありますが、それは皆さんに料理を楽しんで頂きたいと思っているからです。大豆ミートは素材の一つであって、ビーガンで美味しい唐揚を作るとなった時に、僕たちの中では一番身近な大豆ミートを選択したわけです。」

ビーガンにも唐揚は人気メニューなのだろうか

「そうですね。やはりお店のイメージは町中華なので昼間はランチ定食があり夜はビールやサワー。そのおつまみの人気メニューとなれば唐揚と餃子は外せないですよね。でもビーガンの視点からすると唐揚って肉でしょと思う反面、食べてみたいって思うんですよ。ビーガンと唐揚という組み合わせはとても面白いと思いました。実際人気メニューなんです。」

大豆ミートを使って本物の唐揚に近い味や食感を出すのは難しい

「ジューシー感を出すためにいろいろ工夫して考えて作っています。大豆ミート自体を茹でて下味をつけて揚げると美味しいか、と言うと正直美味しくないんですよ。鶏肉だったらただ単に元ダレに漬け込みばいいだけなんですが、大豆ミートの場合は何分茹でるのか、下味に何分漬け込むのか、日々改良した結果、現在の料理にたどり着きました。

新しい外食の来店動機

お客様にビーガンのことを説明するのだろうか

「そこは難しいところで、多分ビーガンと知らずに入ってきたんだろうなっていうお客様には一応最初にお伝えするようにはしています。そうしないと本当に鶏肉の唐揚が食べたい人は何これってなってしまいます。そこはホスピタリティ的に対応するようにはしています。逆にこの店面白そうだっていうことで入ってこられるお客様もいらっしゃいます。でも多くは大豆ミートを使ってこんな唐揚作れるんだって驚かれる人の方が多いですね。

外食において新たな選択肢ができた

外食の世界でも選択肢が増えるということはすごくいいことですよね。“ミートレスマンデー”と言って、敢えてお肉を食べない日を決めるという取り組みがあるんです。そういう時にちょっと「真さか」に行ってみようかっていうお客様もいらっしゃいます。完璧にビーガンじゃなくっても、ちょっと肉食べるの減らしたい人もいるし、グループ3人のうち一人がビーガンだから「真さか」に来てくれた。そしたらビーガンじゃない二人も普通に料理を楽しんでくれて、ビーガンにすごく興味を持ってもらえたということもあります。」

唐揚人気が「真さか」にもプラスに働いている

「確かに唐揚を一押しメニューにしていますが、いま人気の唐揚専門店とはちょっと違いますよね。あくまでもビーガンが最初にあって、次に唐揚。ビーガンの人がガッツリ食べたいだとか、友達と一緒に食事したいだとか、ビーガンが新しい来店動機になって多くの人に「真さか」の料理を楽しんで欲しいです。」

取材協力:居酒屋「真さか」
東京都渋谷区宇田川町 15-1
渋谷PARCO B1F ℡ 03-5422-3020

記者:スマイラー特派員
谷口光児(テンポス広報部)