無法者篤史が捕まった

同窓生4組、8人で、平湯に泊まった。

高山から上高地へ向かう途中の温泉地。泊まりは100年やってると言う由緒アル旅館。

大好きな温泉だ。大浴場良し。露天風呂良し。
「サウナ ありますか?」 「サウナは、貸切の個室で、40分2100円です」

一人で2100円ってわけには いかない。
女房に言ッたって、断られるに決まっている。そもそも長湯が嫌いで、あっという間に出てくる。

ちょっと目を離すと、1ヶ月も、風呂にはいらない。
友達は大酒食らったから、サウナは無理だと言う。まあ 露天がロケーション最高だし、よしとするか。
夜中の3時に目が覚めた。大浴場の入り口の右手に、「和楽」とある洒落た入り口がアル。
さっき言ってた2100円は、これだな。誰もいないし、サウナもまだ冷えてしまっては、いないだろう。
畳の廊下が続いて、左右の庭は、苔に落ち葉が灯篭の薄明かりで、ぼんやりとみえる。
正面の戸を開けると、廊下の向こうに個室が3つ。リサイクル屋は来てはいけませんと言う風な、すましたふすま
「山吹」 「桔梗」 「竜胆」 りゅうたん、だと、思ったら、りんどう、だなんて。
ふすまを開けると、4畳の部屋、奥の部屋のスイッチオン、と同時に、其の部屋の引き戸を開けた。
「きゃーっ」二つ並んだ布団の、奥のほうから、声がした。
条件反射で、スイッチOFF。戸を閉めて、部屋を飛び出した。

いくら急いでいても、スリッパを履いて逃げるあたりに、主人公の育ちのよさが現れている。
すぐそばのトイレの大の方に隠れた。これがよくなかった。近すぎた。
幸い離れで、3室だけ、とは言うものの、「きゃー」の、女とその他で外が騒がしくなった。
えらいことになったなぁ、トイレに入ってきて、鍵をかっているドアーをどんどん叩く。

野郎、調子にのりゃあがって。「ここにいるぞぅ」
失礼じゃないか、鍵をかけて、大にいるのに、どんどんドン、「ここにいるぞぅ」はないだろうよ。
其のうちに、従業員が来て、「警察を呼びますよ」

夜中にくるわけ無いじゃないか、いい加減なことをいって。まったくぅ このホテルのCS経営はなっとらん。
ついに、引きづり出されてしまった。「何かとられたものは、ありませんか?」「皆さん、お引き取りください。」
フロントへ連れて行かれた。いくら事情を説明しても、頭ッから、泥棒を捕まえたと、思っているから、

釈放してくれない。そこにパソコンがあったので、テンポスのホームページを、開かせれば、TOPに動画で、

俺がしゃべっている、「人は誤解されても、天は理解してくれる」
最近FBにはまっているし、気が動転していて、テンポスのHPと言ったつもりが、FBをひらかせてしまった。

PCを見ながら、俺の顔写真を見て、「なんですかぁこれはぁ」
友達がきてくれた。何しろ、こいつらは元校長、田舎の従業員はリサイクル屋の会長なんて、ごみ。
校長と言うだけで、許してくれた。学生時代、答案用紙をいつも、みせてやった。
こいつらぁ、やっと、恩返しができて、胸のつかえが、とれたことだろう。

情けは、人のためならず