【中華そば たた味@小伝馬町】狂気の店主? 登場

中華そば たた味

青森ネギラーメン×アリラン×二郎

2021年3月31日グランドオープンした「中華そば たた味」。

その前にプレオープンがあり、ネット上で話題に。「青森ネギラーメンとアリランと二郎の3種のハイブリッドらーめん」ということだが、「アリラン+二郎」は、どうしても「すず鬼」(三鷹)との比較になってしまいがち。実際、私も初見は「あれ?『すず鬼』が路面店を出したのかな?」と思ったほどだ。それほど「アリラン+二郎」というキーワードは斬新で衝撃的だった。

開店時間の11時半頃に到着すると、既に外待ちで10番目だったが、すぐに後続が付いてMAX20人ほどの行列に。カウンターに座り注文。普通のスタミナ中華だと確か牛モツが入らないはず、と特製スタミナ中華そば(1,160円)と生卵(50円)を選択。生卵は別容器で登場し、すき焼き風に食べることをオススメされる。無料トッピングは、刻みにんにく、または刻みしょうがの選択ができるのでしょうがを選んだ。アブラ(味付背脂)・カラメを追加。カラメは別皿で自家製香唐辛子が付く。味濃いめではないので注意。

はてさて出てきたモノは「すず鬼」とは似て非なる物。似てないからダメというわけではなく、オリジナリティもあって実においしい。アブラ(味付背脂)やカラメは必須。このメニューには付けた方がいい。生卵も実に合うが、苦手な人は無理する必要はない。最近は辛いのが苦手になりつつあるので辛いメニューは辛党にお任せするが、このお店のウリは「辛スタミナ中華」だと思う。(後述)

満席行列だったので聞きたいことは、後日メールで聞いてみた。

中華そば たた味

青森ネギラーメンとは「あさ利」のこと

「青森ネギラーメンとアリランと二郎の3種のハイブリッドらーめん」と謳っているが青森のネギラーメンとは「あさ利」のこと。私自身、青森県では40軒以上食べているが今回のキーポイント「あさ利」は、激辛がウリなのでスルーしていたことを反省。

また、店主は、「青森市のあさ利さんの味・雰囲気全てがファンで、あさ利さんを東京に持って来たくて味を作り始めました!」とのこと。「あさ利」がどれだけ好きなのかが伝わってくる。

全体的にはあさ利→長ネギ・叉焼・中華鍋、アリラン→玉葱・叉焼・中華鍋、二郎→麺・無料トッピング、ということでの「3店ハイブリッドラーメン」ということだ。「すず鬼」とはまたひと味違う、狂気の(←いい意味です)店主が登場した。恐れ入った。

券売機に生卵10個のボタンがあるが、これは「ジャンクガレッジ」の叉焼10枚ボタンをインスパイアしたものらしい。花輪は多くの店主からはもちろん、ジャンクの高山さんや松富士の三田さんからもお花が届いており、その関係性も素晴らしい。本人も「すず鬼」のことを気にしているが「あさ利」インスパイアというか、「あさ利」愛が強すぎて比較するのも違う気がしてきた。

チャーシューも牛モツも麺もスープもネギも背脂もおいしかったので、近いうちにまた食べたい!辛いのに挑戦してみようかなぁ〜。そうそう、無化調の中華そばも食べてみたい。スタミナの方もジャンクな味だが、ベースのスープにはこだわっているらしく、それもあってか完食完飲だった。

店名:中華そば たた味

住所:東京都中央区日本橋小伝馬町15-20

記事執筆

大崎裕史(おおさきひろし)氏

(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンショー実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2021年5月末現在約13,500 軒、約27,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)などがある。