バンコクで大成功!“目利きの銀次”のヒットの秘密とは!?

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2014年10月9日。深夜24時40分発の飛行機に乗り込み、早朝5時にタイのバンコクに到着。まだ日も出ていない薄暗い中、早々にホテルのチェックインを終わらせ行動開始!テンポス特派員がタイのリアルな飲食事情を取材してきました!

商業施設内で、タイ人の心をつかむ超繁盛店、“産地直送仲買人 目利きの銀次”に行ってきた。経営母体である株式会社みたのクリエイトは、沖縄県下で、年商1億円規模の居酒屋を次々と出店している注目の企業だ。現地時間の18時には、90坪160席は満席状態になっていた。

タイでは、アルコールを飲みながら食事をする人は少ない。そのため、目利きの銀次では、来店客のアルコールを売る為に、入店1時間までは、通常価格99バーツ(約350円)のビール・ハイボールを50バーツ(約175円)で出している。ソフトドリンクよりも安く提供しているのだ。

衝撃的だった意識の違い

(株)みたのクリエイトブランドのマネジメントディレクターの相良直寛さんに、目利きの銀次 バンコク店オープンまでの苦労話を聞いた。

▪対サプライヤーの大変さ

食材の仕入れ先を見つけるために、インターネットで調べてからサプライヤーに直接交渉していました。しかし、仕入先の開拓はなかなか難しく、配達に関しても最低取引値段の指定があったり、現金払いじゃないとだめだったり、日本人担当がいないこともザラでしたね。食材の仕入れを他社と比較しようにも、ライバルの飲食店が簡単に教えてくれるわけはないので、現地の飲食店に行き、片言の現地語でどこから仕入れているかを聞き出し、食材会社にコンタクトをとり、サプライヤーを見つけていきました。しかし、実際に取引が始まっても、時間通りに食材が届かなかったり、注文したものを持ってこない、品切れはしょっちゅう、と問題は山積みでした。現地スタッフを通して、繰り返し私たちの意向を伝えていく作業も大変でしたね。

▪対スタッフの大変さ

スタッフの採用の中で、労働に対する意識の違いが大きく困惑しました。タイの労働市場においては、飲食店の職場は腐るほどあります。そのため、給料はいくらもらえるのか、どんな仕事をして欲しいのかを会社が説明すると、応募者は、「こういうことはやりたくない」という意向を面接でしっかりと主張してきます。この日本との違いに最初は衝撃を受けましたが、今ではその方が健全だと思っています。その後のコミュニケーションも大変なのは確かですが、タイの人達は、一度ファミリーになれば積極的に努力してくれる方ばかりです。コミュニケーション上の苦労は、すればするほど後から報われるので、さほど苦にはならなくなりました。

▪対設備の大変さ

これには参りました。居抜き物件だったため、当初は厨房設備を安値で譲りうける事が出来たと思っていましたが、実際は違いました。オープン後3か月後ももたず、新品以外の機械はものの見事に全部壊れてしまったんです。

後でわかった事ですが、厨房機器はメンテナンスがめちゃくちゃでした。別メーカーの部品が平気で繋げられてるし、冷蔵庫を無理やり冷凍庫にして、また冷蔵庫に戻していたり・・・。そんなことが当たり前に行われています。そこにある機械が実際は何年製のどのメーカーのものか、さっぱりわからなくなっている状態というのが、タイのスタンダードなのだと感じました。

置いてある機器だけでなく、電機やインターネットも不安定、停電はしょっちゅう、その都度流れる過電流で厨房機器の不具合も頻繁にありました。クーラーの室外機のカバーはいつの間にか壊れていて、バード・ストライクもありましたね。とにかく日本では当たり前に担保されていることが、全く保証されていないんですよね。

▪対文化の大変さ

これは海外で仕事をする上で避けては通れないところだと心構えていたのですが、それでもやはり大変でした。日本とタイとでは仕事において重要視することが違います。一緒に働くうちに、少しずつすり合わせていけるのですが、根底にある文化が違うため、どうしてもすれ違う部分もあります。

また、対お客様に対しても、日本では当たり前に喜ばれるサービスがその反対の場合があいます。ここは大変なところではありますが、日本オリジナルがある私達だからこそ武器になるところもありますので、今でも毎日探して、よりよい提案をするように努めています。

以上が、海外出店で大変だったところですが、実際はそれと同じくらいのやりがいが海外の職場にはあります。そしてそれ以上の達成感もあります。現在では、海外出店の仕事にまつわる事ができて本当に良かったと、心の底から思っていると話してくれた。

Smiler vol.25 アジア旅行レポート

2014年11月発行