グロービート・ジャパン株式会社 企画広報制作部 鈴木 力氏
“嵐げんこつらあめん”で人気の「らあめん花月嵐」と言えば、いわゆる背脂チャッチャ系と言ってとんこつラーメンブームの時に産声を上げた、今年で28年目のラーメンチェーン店です。なんと10年も前から毎月新作ラーメンの販売をしているのです。これがラーメンファンの間で話題になり、そこから派生して行列が出来てなかなか食べる機会がなかった人気ラーメンとのコラボラーメンや全国各地のご当地ラーメンの提供も始めました。それが北海道から沖縄まで全国に210店のらあめん花月嵐で楽しむことができるのです。現在(取材日:1月28日)は「飯田商店」の“しょうゆらぁ麺”のコラボ企画が進行中ということで、広報部の鈴木力さんにお話を伺いました。
-ご当地ラーメンがお店で食べられるのは御社だけですか?
おそらくラーメンチェーン店でこのような試みは弊社だけだと思います。
-ラーメン店どうしがコラボするってこと自体が珍しいのではないでしょうか?
「らあめん花月嵐」では、いろんなラーメンをより多くのお客様に楽しんで頂きたいと考えております。飲食の中でも、とりわけラーメンはそれぞれの地域に根ざした特徴のあるご当地メニューが多種多様に存在するのが特徴で、それらのラーメンを花月嵐というお店をプラットフォームにして、多くの方にご紹介してきました。全国210ある花月嵐の店舗をラーメンのアンテナショップとして使っていただければと考えています。
過去さまざまなラーメン店様とコラボさせていただいた結果、全国各地の名だたるラーメンを多くの人に知っていただけましたし、「らあめん花月嵐」に来ると本当にあの有名なラーメンが食べられるんだということで、そういう楽しい体験をしていただけたことは喜ばしいことだと思っています。
-例えば、現在開催中の飯田商店のラーメンの出数はどれくらいですか?
実はかなり好評で、1日に100食近く出る店もあり、全体の3割くらいになりますね。
-YouTube で見たのですが、飯田商店に花月嵐のお客様から電話が入っているらしいですね。今回のこの取り組みで初めて食べることができました、ありがとうって。花月さんにはどんな声が届いていますか?
お客様の身近にある花月嵐のお店で、有名ラーメン店のメニューが気軽に楽しめるのが嬉しい。また、ご当地ラーメンをやらせていただいた際には、地方から上京された方が地元に帰らなくても地元の味が食べられて嬉しかった。そんな声を頂いております。
-実際のところコラボは花月さんの方からお声掛けするのですか?それともご当地ラーメン店からコラボしてほしいと依頼が入ってくるのですか?
そういうお声がかかるケースもあるのですが、基本的には私どもからお声をかけさせて頂いています。また、コラボさせていただいた店主様から有名ラーメン店の店主様をご紹介いただくこともあります。ずっと続けてきたおかげで最近ではコラボ企画に賛同していただくお店も増えています。
-それじゃあ飯田商店さんともすんなりとコラボは決まったのですか?
飯田様には私どもの意向を伝えさせていただいて、その考えは非常に面白いということで今回のコラボ企画の協力をいただきました。
-飯田さんはスープを作る鍋もラーメン、丼もラーメン、全てがラーメンとおっしゃってたんです。つまり道具も含めたこだわりが飯田商店のラーメンだと思うんです。その飯田商店がよくぞコラボに協力してくれたと思いました。
有名ラーメン店の看板をお借りして商品を提供させていただいていますので、我々も飯田様のこだわりとか思いを背負ってお客様に提供させていただいているわけです。下手なことができないというか通常の我々のラーメン以上に気を使うと言うか、現場にそういう緊張感をもたらしてくれることはとってもありがたいことだと考えています。
-我々素人からすると湯河原で食べるラーメンと花月嵐で食べるラーメンとの違いは分からないぐらいなのですか?
違いを感じるかは人によって異なりますが、皆様に満足を頂ける仕上がりになっていると思います。というのも我々の責任で販売させて頂くにあたって商品を開発するのに6ヶ月から9ヶ月の期間をかけて試作に試作を重ねてようやく飯田様からゴーサインをいただきました。
実際、飯田様には当社のキッチンに7回から8回お越しいただきましたし、ウチのメンバーも湯河原に何回も足を運んでようやく商品化にこぎつけた、そんな感じですね。やはり有名ラーメン店様のお味は一長一短にできるものではないと思っています。
確かに有名ラーメン店の味を100%再現してるとは言えないかもしれません。しかし、コラボ商品を食べられたお客様が湯河原のお店に行って食べてみたら、味が全然違っていたとなればすごく失礼にあたると考えています。私どものお店で「飯田商店」のラーメンを体験していただいて、その美味しさに感動していただいて湯河原にも足を運んで頂くのがいちばん嬉しいですね。
-すると逆に御社の看板商品が見劣りするようなことになりませんか?御社のブランドイメージを損なうようなことにはなりませんか?
その点で言えばラーメンの懐の深さといいますか、ラーメンは非常に指向性が高い商品になりますので、どのラーメンが一番美味しいかそういう比較をするものではないのではないかなと思っています。醤油ラーメンでも様々な醤油ラーメンがあり、それぞれの良さ美味しさがあってどっちが上とか下とか評価しづらいものだと考えています。
お客様が「へえ~こんなラーメンもあるんだ」とラーメンの魅力を新たに発見していただける場として「らあめん花月嵐」をご利用いただければ嬉しいですね。ラーメンってこんなに美味しいものなんだということを実感して頂けることが我々の終着駅だと思っています。
-結局ラーメンって美味しいということですよね。これを一人でも多くの人に伝えたい?
ラーメンに携わってる者としてひとつだけ言わせていただくと、世間ではまだまだラーメンの評価は低いと考えています。人気があるとか国民食になったとかそのように言っていただいていますが、「たかだかラーメンで1000円以上するんだ」みたいな言い方をされてしまうこともあります。実際飯田様にラーメンの作り方を学んで感銘を受けたのですが、一杯1100円という価格は十分納得いくものだと思います。だからこそ、今回のコラボ企画を通してラーメン自体の価値を高めたいという飯田様の思いが詰まったらぁ麺をより多くの人に食べていただくことの後押しができたことは嬉しく感じています。そして今後も「ラーメンってなんて美味しいんだ!」と感じていただけるよう、ラーメンの価値をもっともっと上げていきたいと考えています
取材協力:グロービート・ジャパン株式会社 東京都杉並区上荻1-14-5
電話03-5335-2550
谷口光児(テンポス広報部)