「アホウどり」に求められているもの、それは明日への活力

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「アホウどり」に求められているもの、それは明日への活力

#リード

京都で3店舗の飲食店を経営する株式会社アホウプロジェクト。経営理念に「アホは地球を救う」を掲げ、とにかく明るく、店内で行われるイベントはいつも斬新で面白いアイディアばかり。そんな同社が、緊急事態宣言に伴い、テイクアウト販売を開始したのだが、それも“アホウプロジェクト”らしい、面白い取り組みをしていたのでご紹介したい。

#小見出し

「顔が見えるお弁当」で安心・暖かさを届けたい

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「自慢の焼き鳥弁当500円」「特製唐揚げ弁当600円」、居酒屋「アホウどり」が提供する弁当は人気のメニューを大盛りに、コスパ高い弁当を提供する。しかし居酒屋としてそれは当たり前だと話すオーナーの泉川さん。では、どこで差別化を図るか?

―泉川氏

お客様が「アホウドリ」に求められているものは、明日への活力だと思うのです。 「アホウドリ」に行くと楽しい、元気になる、そんな気持ちになるような空間を私たちも作ってきました。だからこそ、テイクアウトを始める時も、そこはぶれてはいけないと思いました。

「アホウドリ」の強みは”ヒト”。テイクアウトを始めるにあたり、安心安全はもちろん、こんなご時世だからこそ、人の暖かさを伝えられるような自分達らしい取り組みをしたいと考えた。

そこで出たアイディが「顔の見える弁当」だ。とびきり笑顔の作り手の顔写真を載せたポストカードをテイクアウト時に手渡しすることにした。さらにお客様がプッと笑えるような仕掛けも意識したという。もともと従業員は「焼き鳥マシーン」「生徒会長」等のあだ名を持っている。ポストカードには顔写真と共に、そのあだ名やニックネームを記載。その日の体温を記入する欄も設けた。従業員の体温が書いているカードなんて他では無いから、受け取る方は思わずフフッと笑ってしまう。

集客はインスタグラムのライブ配信を活用している。ライブ配信では、アホウプロジェクトらしい、絶妙に面白い投稿でユーザーを楽しませる内容で、コメント欄には「頑張って!」「面白すぎ」そんな声であふれていた。

#小見出し

毎月600件の法人に「アホウ新聞」を届ける

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デリバリー・テイクアウトの集客には、「アホウ新聞」も活用している。地域との繋がりを作ること、店の認知度を高めることを目的に、従業員が制作している新聞だ。テイクアウト・デリバリー開始を告知する時に発行した「アホウ新聞」には、「売り上げ7割減、どうなる!? 店存続の危機」とタイトルを大きく記載。どんなことでも笑いに変えてしまうのが「アホウどり」の魅力である。

「アホウ新聞」は毎月、近所の会社や事業所の約600件(運営3店舗×200件)に手渡しで配布している。売り上げが心配な時は「3.5月号」と称し事業所を再訪することもあるのだとか。最初は突然の訪問に警戒しているところも多かったが、2、3回顔を合わせるうちに、自然と打ち解けていった。テイクアウト開始に限らず、何かイベントの告知をしたい時、600件もの繋がりがあることは同社の強みでもあり、かけがえのない財産ともいえる。

全国緊急事態宣言が発令されたことで、訪問営業も難しくなってきているが、この状況だからこそ考えていることもある。「アホウ新聞の特別号を発行し、自社の情報だけでなく、地域の飲食店のテイクアウト情報を載せられないかと考えています。ここで商売をさせて頂いているからこそ、地域に貢献できるような取り組みをしていきたいです。」

株式会社アホウプロジェクト(京都市左京区一乗寺地蔵本町6-1)

代表取締役社長 泉川武士氏

炭火焼鳥アホウどり

▼創業インタビュー

https://smiler.jp/2017/10/10/post-1226/

 

 

 

#キャプション

1~4.顔が見えるお弁当のポストカード。制作は学生アルバイトの男の子。

5.毎月発行している「アホウ新聞」