やりたいことを続けるエネルギーはどこから生まれる?[ラーメン店特集Smiler53号]

Smiler53号の「ラーメン特集」にて、全国の繁盛ラーメン店に取材!
静岡県で人気のラーメン店「ラーメンABE’s」に、テンポス特派員の杉山がお話を伺いました!
【テンポス特派員 杉山】
テンポスのお客さんで開業する人の2番目に多いがラーメン屋さんです。僕にとっては独立したくって飲食始める人みたいな印象です。でも、よく言われる「ラーメン店は、お店始めて3年もつのが4割ぐらい」というの、ここ静岡でも大体合っているんです。テンポス静岡店が出来て5年経つのですけど、3年以内に6割ほどのラーメン店が閉店しています。そこで、今年で8年目の「ラーメンABE’s」のオーナー、阿部圭伍さんにお話を伺いました。

特派員 杉山:

葵区千代田に出店した理由を教えてください

―阿部社長

僕の家から自転車で通える距離だったこと、単純に周辺人口がものすごく多かったからです。候補物件は三つほどあったんですが、僕のラーメンは無化調なので、なんとなく雰囲気的に“僕が作るラーメンを好んで食べてくれそうな人が住んでいる”という印象があるんです。わかりやすく言うと、千代田は客層が良さそうな場所ってことですね。

特派員 杉山:

脱サラしてラーメン店を始めるのって、皆さんそれぞれ自分のやりたいことがあってのことですよね。県内である程度有名になってお客さんが付くまでも大変だったと思いますが、ぶっちゃけラーメン店ってチェーン展開するのは難しかったりしますか?スープの味だとか麺とかをキープするのが難しいと思うんです。

―阿部社長

僕はもう店舗展開は終わり(現在、ラーメン店と餃子専門店の2店)で、店舗をもうちょっと大きいハコでやりたいなと考えています。僕のスタイルだとチェーン展開というのは性格上出来ない、人に任せられないというのとクオリティを絶対に下げたくないというので、まあ無理だと思いますね。他店がチェーン展開して不特定多数の人にラーメンを食べてもらうのに対し、僕は一対一が好きなんです。お客様との真剣勝負を毎回やるみたいな、そんなイメージ。あと現場にいたいという気持ちもあるんでね。

特派員 杉山:

阿部さんは、スーパーマーケットの「KOマート」に卸してますけど、どんなきっかけで始められたのですか?

―阿部社長

きっかけは店で余ったスープを冷凍して、それを家で食べたらすげーおいしかったんです。これは家で食べるラーメンのクオリティを超えてるなと思ったことと、KO マートが「ラーメンABE’s」の評判をお落とさないスーパーだったということですね。

特派員 杉山:

そうですよね、KO マートって割とアッパーなスーパーですからね。 でもKO マートさんは「E→Fカレー」という店舗も出店していて、 店で作ったカレーをKOマートでも販売していますよね。正直、どちらも健康志向というか体にいいものを求めるイメージがあったのでなんかお客の取り合いになったりしないかな。

―阿部社長

まあしないですね。誰でもいろんな料理が食べたいだろうからね。KO マートさんには無理しない程度で卸しています。種類もごく僅かだから、ターゲットのお客さんへの宣伝になると考えています。

特派員 杉山:

阿部さんのように元気なラーメン店って静岡でも多いんですけど、元気なラーメン店も止まる時が来ますよね、3店舗行くか行かないかのタイミングとかで。ラーメン店ってどこがゴールかわからない業種になってないですか?

―阿部社長

それって店主の考え次第ですね。ラーメンだけじゃなくって、餃子も美味しい、チャーハンも美味しい店があったりして。それって信念と言うか、「オレはこういう店にしたい」っていうのがない店が潰れるような気がするんですけど。

特派員 杉山:

確かにそうですよね。では最後に、やりたいことを続けていくエネルギーと言うかそういうのをキープする秘訣があれば教えて下さい。

―阿部社長

静岡には、この店にしかない“ウリ”があるラーメン店がウチも含めて無いなと思っているんです。誰もが考えるようなことをやっていたら結局価格競争に巻き込まれるだけだから。これからはブランディングを考えながら進めていきたいと思います。昔は多店舗展開ができればかっこいいなって思っていましたけど、今はそういう欲はありません。どこにも無いラーメンを作る!という夢と情熱が全てだと思っています。

特派員 杉山:

ありがとうございました!

■取材協力

「ラーメンABE’s」静岡県静岡市葵区千代田4-2-1 ℡ 054-246-2217

記事:スマイラー特派員
杉山俊介(テンポス静岡店)