外食業界人同士の飲みの席で、なにかと話題に出るのが、業態について。昭和の時代は、普段遣いの中華に蕎麦屋。祝い事など、ちょっと贅沢するときは、寿司に焼肉、洋食屋など。飲みに行くとなれば、居酒屋、小料理屋、スナック、クラブとみんなまとめて「飲み屋」と称され、大雑把なくくりで「なに屋」なのかが、わかりやすい時代だった気がする。
昭和、平成が終わりを告げ、令和となった現代では、飲食店における業態の細分化が間違いなく進んでいる。例えば、中華ひとつとっても四川風や広東風といった本格中華料理店と呼ぶものから、中華バルと名乗るカジュアル志向の店や、餃子やチャーハンなどの専門店。元はラーメンも中華のジャンルだったはずだが、ご周知の通りラーメンは、もうひとつの業態どころか、日本の食文化として確立され、その中でさらに家系やら、細分化が進んでいる。つまり、一概に中華といっても、なに屋だかを説明するのにも「中華屋」の一括りで説明は終わらず、細かく説明が必要だってことだ。まあ、そこはインターネットで検索すれば、どの店も詳しく説明されてはいるのですがね。
煮干しラーメンでその名を馳せる「凪ラーメン」。東京・西新宿の店舗のデッドスペースであった2Fでシークレットオープンしている「凪地獄」。イベントスペースのようではあるが、ハムカツラーメンなる風変わりなラーメンを提供したり、ママが店に立ちスナック営業をするなど、まさに業態は不明。ネットで検索するとホームページはあるものの、なに屋だかがわからない。飲食店の看板メニューは、わかりやすくという正論がある一方、看板もなく宣伝もしないというスタイルも根強い。まあ、どちらにせよ、お客さんが楽しみ満足すれば、過剰に宣伝をしなくとも、自然と客がリピートしてお店は存続していくのでしょうけどね。
ノンダクレッタこと
Smiler編集長 竹原トモヒロ拝
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