【新宿 小麦と肉 桃の木】働くスタッフは全員女性

「背脂生姜醤油つけ麺」が大人気の「小麦と肉 桃の木」の店長を務めるのは矢野尚美さんだ。もともと別の企業が「桃の木」を運営していたが、様々な理由からお店を閉めることになる。そんな時、「この店の味を残したい」と、社員として働いていた矢野さんが店の買い取りを志願。そこから矢野さんの第2の飲食人生がスタートした。

昔からの常連客や、「働くスタッフは全員女性」ということからメディア取材も多く、店を引き継いだ後も忙しい日々は続いた。しかしメディアの露出次第で売上が左右されるのも事実だった。今必要なことは、新しいファンの獲得と定着。そのためにも、メニューの改善が必要だと感じるようになる。

そんな時、背脂生姜醤油ラーメン「我武者羅」を展開する、蓮沼社長と出会う。「桃の木」のポテンシャルに可能性を感じた蓮沼社長と、これから店を盛り上げていきたい矢野さんの想いが一致し、「桃の木」は我武者羅グループに入り、再び新しいスタートをきった。

まず取り組んだのは、食材と製法の見直しだ。これまで、RO(アールオー)水*を使用していたが、RO水は出汁や食材の味がストレートに出すぎてしまうため、少し雑味が残るπウォーターに切り替えた。雑味が残る事で馴染みやすく、バランスの取れたスープにブラッシュアップしていった。他にも、食材は国産のものに切り替える等、「桃の木」の味を大切にしながら、今の時代に求められる料理へと進化させていったのだ。

*RO水・・・不純物やミネラルを極限まで取り除いた水

スープ作りで6時間煮込んだテールを、あまじょっぱい味付けで仕上げた「テール丼(200円)」。トロトロのテールがたっぷりと入った満足感あるサイドメニュー。

仕事の楽しさとは

(左)久保亜沙美さん。桃の木の店長候補としてトレーニングに励む。(右)現、桃の木の店長の矢野尚美さん。店長後継者ができた後は、新しいことに挑戦し、ステップアップしていきたいと笑顔で話してくれた。

カウンターが少し濡れていた時、放っておけば自然と乾く程度でも、さっと布巾で拭く。お客様が帰られる時は、必ずアイコンタクトをとる。どんな些細な事も、絶対に見て見ぬふりをしないと心に決めてやってきた。また、仕事の楽しさとは、達成感や、自己成長、喜びの感情から生まれるものだという信念のもと、スタッフにはいろんなチャンスや成長の機会を与えることを大切にしてきた。

今は、「桃の木」の店長を務める矢野さんだが、社内ではマネージャー候補に名前があがっている。男性社会が当たり前のこの業界で、エネルギー溢れる矢野さんなら、新しい風を吹かせてくれることだろう。

取材協力
店長:矢野尚美さん
店名:小麦と肉 桃の木
住所:東京都新宿区新宿1-32-4
(運営:株式会社我武者羅)

記者:スマイラー特派員

乙丸千夏(テンポス広報部)