【発酵デパートメント】発酵食品みんな集まれ!

日本文化を独自の切り口で発信する月刊誌「Discover Japan(2021年7月号)」の発酵特集を全面監修したのは、発酵デザイナーの小倉ヒラクさん。2020年4月、発酵の魅力を発信するためにオープンした「発酵デパートメント」では、様々な発酵食品を取りそろえる。ヒラクさんが見ている発酵文化とは?お話を伺いました。

発酵デパートメントとは?

コンセプトは、「世界の発酵みんなあつまれ!」。発酵をテーマに、日本各地の調味料や加工品、お酒などを販売する。また店内は、「飲食」「物販」「展示」のコーナーに分かれ、発酵の魅力を存分に楽しめる空間になっている。

「発酵食品=健康に良い」という打ち出し方はしない、
むしろ・・・。

発酵食品は、免疫力を高めたり、血行促進や代謝を上げる等の効果に注目されがちだ。しかし、実際には健康効果を証明する定説はほとんどない。また、「健康効果」を切り口にしてしまうと、一過性のブームになりがちだ。そこで、「発酵デパートメント」では、発酵食品が生まれた各地域の風土や製法、またそれをどのように家庭で取り入れていくかに着目し、発酵食品の魅力や文化を次世代に残していくという考えを大切にしている。同じ味噌、同じ醤油でも多様性があり、面白い世界だということも伝えていきたいとヒラクさんは話す。

発酵食品のここが面白い、最近驚いたこと

兵庫県の山奥、奥但馬に訪れた時のこと。そこでは、元酒屋、元酒造りの杜氏、元フレンチシェフの “発酵老人3人衆”が作る、唐辛子発酵調味料「KARAZO」に衝撃を受けたという。味わいは、唐辛子を使った単なるハバネロのような辛さではなく、旨味と爽快感を感じる味わいが特徴だ。また、「調味料の革命を起こす!」という志を持つ作り手の情熱も魅力の一つとのこと。もちろん「発酵デパートメント」でも販売している。

このように「発酵デパートメント」で扱う発酵食品は、特徴ある食品が多い。そのため、メニュー開発する際は、和食にこだわらず、洋食や中華料理まで広げて考えていく。発酵食品の食文化の魅力をこれからも伝えていきたいと、笑顔で取材にこたえてくれた。

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【メニュー紹介】

チーズのような風味の味噌を使った「冷やし発酵米麺」

グルテンフリーの発酵米麺で作る冷やし中華。スープのベースは、山梨独自の甲州みそ「やまごみそ」と、長野県木曽で作られたチーズのような風味の「木曽のこうじ味噌」をブレンドする。アクセントは、唐辛子発酵調味料の「KARAZO」だ。「木曽のこうじ味噌」のチーズのようなコクと、「KARAZO」の旨味と辛みがあるため、肉をつかわなくてもしっかりとした味に仕上がる。動物性不使用でヴィーガンの方にもオススメ。

和製タバスコ!?唐辛子発酵調味料「KARAZO」

料理を引き出す万能タレ、唐辛子発酵調味料「KARAZO」。単なるハバネロのような辛さだけではなく、旨味と爽快感を感じる味わいが特徴だ。ラインナップは3種類、黒色の瓶は、原液の深い味わいを楽しめる。赤色の瓶は、黒色の原液に辛みを加えたもの。白色の瓶は、原液に「柿酢」を加え、家庭でも使いやすい万能調味料として人気。

黒麹あまざけを使ったラッシー

取材協力
発酵デザインラボ CEO 小倉ヒラクさん
店名:発酵デパートメント
住所:東京都世田谷区代田2-36-15
TEL:03-6413-8525
(発酵デザインラボ株式会社)

記者:スマイラー特派員

乙丸千夏(テンポス広報部)