【大阪 割烹もりつね】季節を味わうために、大切な人と行きたいお店

住吉大社のお膝元にある、大阪市住之江区 粉浜商店街。こだわりの品揃えが自慢の商店街の中にある、花手水が一際目を引く「割烹もりつね」。
店を営むのは、21歳から料理の道一筋の、森恒和さん。 カウンター12席。温かい物を温かいまま提供するには最適のスペース。各々の食べる速度に合わせて目の前に出されるお料理はどれも、ため息が出るほど美しい。日常の忙しさをひと時忘れ、ゆったりと、存分に、季節の恵みを味わうことが出来るお店だ。おせちや睨み鯛、母の日弁当などを毎年楽しみにしている常連さんは多い。

「美味しいものを作るだけが仕事じゃない。お客さんに喜んでもらえるように店を営業することが一番大事。」その中で、“美味しいこと”はお客様にとっての喜びのひとつに過ぎない。お客様に対する“気遣い”や“店の掃除”などいろんな要素が積み重なって、喜びに繋がる。店を経営するとはそういうことだ、と大将は語る。
食材は自分の足で市場やその周辺を回り、実際に目で見て確かめながら仕入れる。献立は材料を見ながら考える。「季節の良いもの、そしてお客様が安心して食べられるものを使いたい。」そんな想いで選んでいく。

ある日の献立。
立ち上る出汁の香りにうっとりしてしまう「じゃがまん」。これを食べるためにまた来たいと思わせる、割烹もりつねの名物。(水色のお皿の団子状のもの)

実は、大将は週3日人工透析をしている。体調が思わしくない時もある。だからといって、納得のいくものが無ければ無理に買うことはせず、仕込みに間に合うギリギリまで食材を探す。「モノの良さが大事」と取材中に何度も口にされていた。自身の仕事に常に高いクオリティーを追求しているからこそ、迷わずそのように出来るのであろう。
大切にしているのは「見た目、色合い、季節感。お客さんが見て何かを感じ取れるお料理。これはこの時期一番美味しい、この季節になったらこれが食べたい、そういう喜びがなければお食事ってあんまり意味がないと思う。」
「“人が喜ぶものを作りたい”というのは、作り手の本質じゃないですか。お客さんが、店に来ることによって喜ぶ。食べることによって喜ぶ。交流することによって喜ぶ。喜んで帰ってもらえたら次も来ていただける。それをひとつひとつクリアしていかないと、お店として成り立っていかないと思う。“その瞬間だけお客さんが来れば良い”というような商売ではないから。」

現在は土日のランチのみの営業。予約があれば夜開ける日もあるというが、近いうちに夜も営業出来るよう準備中とのこと。季節ごとに是非訪れたいお店だ。

記者:スマイラー特派員

千代川美保

◆取材協力
大将 森 恒和さん
店名:割烹もりつね
住所: 大阪府大阪市住之江区粉浜3ー9ー22
電話:090-9289-5685