飲食人のえらいめにあった話 Vol.2

【都市伝説は本当なのか】
昭和の頃に、某大手ハンバーガーチェーンにミミズが入っていたとクレームを付けると、店舗裏に連れて行かれ、口止め料が10万円貰えるといった都市伝説があったのはご存知でしょうか?そのためか、「ハンバーガーのミートパティにミミズが入っていた。」そんなクレームを受けたことがあります。それも、ユーチューバーや若い子が遊び半分でクレームを付けてきた訳ではなく、60代くらいの普通のオジサンです。本物のミミズが入ったパティを持ってきました。当然製造工程上有りえない話なのですが、預かった以上、潔白を証明しなければなりません。
まず、ミミズ入りの食べかけのハンバーガーをお預かりし、調査機関へ送付して科学的に調査しました。結果、ミートパティには焼反応が出ているが、ミミズの破片からは焼反応が出ていないことから、後で混入された物であると断定。この科学的な調査書を持って、お客様へ、「このミミズの混入者の犯人を捜すのは警察の仕事なので、被害届をだしに一緒に警察に行きましょう」の一言で退散。まさか何万円も使って科学的に証明されるとは思ってなかったんでしょうね。「ミミズが入ってた」で10万円貰えるという都市伝説を覆す為に大変な経費と日数を浪費しました。
(40代 男性 某チェーン店)

【もう会いたくありません】
昔、仲の良いお客様がいました。ですが、次第にスタッフにセクハラしたり、お金を払わないようになってきました。しかも最悪なことに酒癖がめちゃくちゃ悪い。ついに堪忍袋の緒が切れ、そのお客様を一切の出禁にすることにしたんです。
しかし、とある日の営業中。店の前にそのお客様の姿があり、気づかれる前にと思い、静かに店のシャッターを閉めたのですが、これが逆鱗に触れてしまったようです。店頭のベンチを持ち上げて、シャッターを破壊しようとしてきました。しかも、1度で終わったかと思えば、また5分後に帰ってきてシャッターを壊そうとしてきました。こまったお客さんにはもうこりごりです。

【く、くやしい】
焼き鳥屋を経営しているものです。以前、任せていた店長に売上金を抜かれていました。私が近くにいるときでもレジで売上を取り消して、その分を抜いていたようで、何をしているのかと聞くと「打ち間違えた」と言い平気で繰り返していたようでした。伝票に通し番号を打っていたため発覚したのですが、10万円ほどは抜かれたと思います。
(40代 男性 居酒屋)

【まさかのダブルパンチ】
お店の駐車場が2台しかなくて、物件契約するかどうか悩んでいたとき、「隣のドラックストアの駐車場とめられるよ、右隣の店は夜しかやってないから、昼は大丈夫」と促され契約。しかし、いざ開業してみると、ドラックストアから「違法駐車!」と毎日クレームの嵐。しかも右隣の店からも「違法だ!」と言われる始末。なぜ・・・、頭の中は???だらけでした。現在移店先を探しています。
(40代 男性 ラーメン店)

【いまいましい】
5年ほど前、商店街の建物の2階で居酒屋をオープンしました。オープンから半年ほどで、経営は軌道にのり、「よーしもっと頑張るぞ」と思っていたときでした。深夜3時、電話が鳴り「家族に何かあったのかな」と不安を抱えつつ電話に出ると、「火事が起きました、至急来てください」と警察からの電話だった。店に行くと、愕然とした。建物が全焼していたのだ。1階の中華屋の店主も来ていたのだが、火事の原因は私の店だと、猛烈に非難してきた。翌日、店頭にその張り紙までされた。
しかし後日、消防に原因を聞くと、火事の原因は中華屋のダクト火災が原因だった。私の店に過失はなかったのだ。そのことを1階のオーナーに伝えるも一切の謝罪無し。とんでもない親父だった。結局、火災保険で出た資金や大家さんのご好意で別の場所を紹介してもらい、新しい店舗を立ち上げましたが、今でもあの店主の態度は許せません。
(40代 男性 居酒屋)

【ちょ、待てよ。】
聞いてくださいよ。ラーメン屋をやりたいと志す人に自分が1500万を出資して開店させたのですが、1年で辞めて転職されてしまいました。ちょ、待てよ。俺の金~!!!!!
(40代 男性 和食)

【ちょ、待てよvol.2】
新規オープンした2ヶ月後、店舗の上を寮にしていた店長が突如失踪しました。家具もそのままで、俗に言うバックレです。二十歳そこそこの店長でした。まだ子供だったんですよね。任せるのが早かったのかなと少し悲しくなりました。
(40代 男性 焼肉)

【どこまで見られたの・・・】
私が働く店はそんなに大きくなく、更衣室は男女共同で使用していました。そんなある日、大学生の女の子が着替え終わり、次に男性のアルバイトが更衣室に入りました。すると、物置の隙間に携帯があるのを発見。「誰のだろうと?」と不思議に思い画面を見ると、動画が回っていたのです。男性アルバイトは、その場で社員に携帯を突きつけ上司に報告。その場にいた社員やアルバイトは動揺が隠せない様子で、盗撮された女の子は、その場にしゃがみ込み泣き始めてしまいました。後日、盗撮の犯人は男性社員であることが分かり、最終的にその男性社員は解雇に。自分が盗撮してしまったわけではありませんが、とんでもない現場に遭遇してしまい、どんなふうに対応するのが一番良かったのか、今でも答えはわかりません。
(30第 男性 居酒屋)

イラスト制作:テンポスフードプレイス 白井美帆