【沖縄 株式会社田中商店】沖縄の居酒屋がピザの自動販売機販売を展開 新たな収益源の確立に邁進する

 沖縄県内で「地鶏炉端 あしどり」「本気酒場 でんすけ商店」等、居酒屋10店舗を展開する株式会社田中商店が、2020年9月から、自動販売機でピザの販売を開始した。編集部は、「自動販売機で売るピザって美味しいの?」と単純な疑問から取材を開始。ピザ自動販売機ビジネスの苦労と試行錯誤の裏側をご紹介します。
 もともとピザの自動販売機自体の流通はあったが、機械自体は海外製のものしかなく、輸入して設置したとしても、日本の気候と合わないために、美味しいピザが焼けない等の問題があった。そんな、広島県の機械メーカーが、国産初のピザ自動販売機開発に取り組むことに一方、沖縄県内で居酒屋を運営する田中商店の田中社長は、人に依存しない新しい業態を模索していた。その中で、ピザの自動販売機の噂を聞きつけ、メーカーとの取引がスタートしたという経緯だその後、1年間の機械の調整等を経て2020年9月に、沖縄県内で初のピザ自動販売機「ピザすけ」を設置前例がないということから、保健所の許可を取るの大変だったが、コロナ禍のテイクアウト需要ともマッチし、「ピザすけ」はメディアでも話題となり好調な滑りだしをきった 

沖縄の「湿度」が高すぎて、ピザをなくなく廃棄処分に 

 現在、ピザの自動販売機「ピザすけ」、沖縄県内5か所に設置している。設置場所は、ショッピングモールや、「TSUTAYA」やコインランドリーの駐車場等、駐車場があり、ついで買いが見込める立地。ピザはナポリ風で、マルゲリータやバジル味等、2種類から選る。ピザの大きさは直径24センチ、1枚800円~1,200円。本格ピザが3分で出来る仕組みだ。田中社長は「職人さんがピザを焼くのとは違う難しさがあり、例えば、チーズ1つにしても大きさや、カット方法、とろけ具合によって焼き上がりが変わります。また、具材によっても、均一にピザを焼けるかが変わってきますので、そこはよく研究して作りました。」 

 

 続けて、「ピザすけ」設置後に起こったトラブルについても話してくれた。 

沖縄は本州に比べ湿度が高いため、自販機内のピザの容器(段ボール製)が湿度で少し変形したことがありました。それでエラーが起きたんです機械はミリ単位の正確な動きは得意ですが、一方でミリ単位の変化に弱いんですよね。そんな課題を一つずつクリアして、ようやく現在の形にたどり着きました。」 

収益目標は100万円。居酒屋運営にプラスアルファで稼げる体制を目指す 

 現在、稼働している「ピザすけ」は5台。目標は5台で月間1,000枚の販売、月間100万円の売上を作ることださらに、中長期では沖縄県内の企業への代理販売行っていく考えだ。既に、リゾートホテルやウィークリーマンションを運営する企業から設置したいと要望受けている。設置台数の拡大見通しは明るい。 

 

 最後に田中社長は次のように話す。 

「ピザの自動販売機設置は、新しい収益源を作りたいという想いからスタートしました。開始時期がちょうどコロナ禍と重なったのは偶然でしたが、無人販売という、人に依存しない形で飲食を提供できるため、今後も力を入れていきます。しかし、からといって居酒屋をめるわけではありません。人と人が顔を合わせて、同じ空間でお酒を飲んで楽しむ。これは絶対になくしてはいけないなと思っています。コロナ騒動いつまで続くか不安もありますが、「ピザすけ」のように、新しいことにチャレンジしながら、店(居酒屋)では、来てくださるお客様への感謝の気持ちを忘れず、もっと何か出来ること無いのか、諦めずにやっていきたいと思っています。」 

記者:スマイラー特派員

乙丸千夏(テンポス広報部)

 

取材協力 

代表 田中 大輔氏 

店名:ピザすけ(運営:株式会社 atari(株式会社田中商店)) 

住所:沖縄県那覇市壺屋1-18-11 

URLhttps://www.pizzasuke.com/