自家製焙煎caf’e ちゃんと 店主 田所信浩さん
最寄り駅から徒歩10分。閑静な住宅街でオープン11年目を迎えるのは、無農薬コーヒーを店内で焙煎し提供する「自家製焙煎caf’e ちゃんと」。
店名の「ちゃんと」とは、食材に対しても、接客においても、全てに対して “ちゃんとしよう”、そんなオーナー夫妻のオープン時の決意から名づけられたものである。
店のこだわりは、なんといっても店内で焙煎し提供する無農薬コーヒーと、オーガニックの手作りのお菓子や料理だ。コーヒーは、コーヒー豆の生豆に混入している欠点豆を一つ一つ手で取り除いてから焙煎する等、ここにも田所さんの“ちゃんとしたものを提供しよう”という思いが込められている。
コーヒーは常時15種類ほど提供している。定番のものより珍しい産地や種類のものが多く、またほとんどが無農薬コーヒーだ。また、業界内で噂のコーヒーや、新しいコーヒーも積極的に取り入れるようにしており、それがコーヒー好きの常連客の楽しみとなっているのだ。常連客といえば、つい先日、お客様がメニューブックを作ってプレゼントしてくれた。
「うちのメニューはもうボロボロだったので、それを見てメニューブックをプレゼントしてくれたんだ。30代くらいの男性で、表紙に貼っているこのロゴのシールもその男性が作ってくれたんだよ。びっくりしたよ。最初は自分の家にある物で作ってくれたのかと思っていたんだけど、聞くと、買いましたって言うんだ。嬉しかった。でも、何でここまでしてくれるのか、正直、すごく不思議な気持ちだよ。」
そんなこんな取材を進めていると、ドアが開き、若い男性が入店してきた。しかも偶然にもメニューブックをプレゼントした男性客だった。思わず、「何で、メニューブックをプレゼントしようと思ったんですか?」と伺うと、
「ここのコーヒーがすごく美味しくて。だから感謝の気持ちを伝えたいと思ったんです。」と少し照れながら答えてくれた。
飲食向きではないこの立地で、なぜ10年以上、店を守り続けられたのか。男性客の姿を通して、オーナー夫妻の積み上げてきた10年間の “ちゃんと”が垣間見えた瞬間だった。
取材協力:「自家製焙煎caf’e ちゃんと」
東京都文京区本駒込3-32-4
電話:03-5832-9740
乙丸千夏(テンポス広報部)