駅前立地から郊外立地に移店したから助かった!

ここ静岡でも駅前の大型飲食店の閉店が目立ってきました。静岡駅前の店舗の賃料は坪2万円が相場で、大型店舗ともなると家賃が月100万円も珍しくはありません。そんな中、コロナ前のタイミングで駅前の好立地から郊外に移店して焼き鳥店を経営するK社長を取材した。

移転前は、駅前の好立地で大型の焼き鳥店を営んでいたK社長。ピーク時は月商1500万円を売上げる繁盛店だった。当時は100万円の家賃を払っていても儲かっていたから、不安を感じることなど何もなかった。感じる暇もなかったと言ったほうが正しいかもしれない。とにかく回転させること、お客さまを入れることしか考えていなかったと言う。ただ一抹の不安というか危機感はあった。若者の酒離れ、食材の高騰、SNSの良し悪しで客の入りが違ってくる、などと言った時代の変化・・・。

儲かっていれば何とかなると踏みとどまっていたが、次第に移店も考えるようになった。そんな中、少し外れた18席ほどの小さな店舗が空くという情報が飛び込んできた。今までの大型の店とは全く違う。不安もあったが思い切って移転を決意したK社長。結果は、良い意味で予想を裏切った。売上は5分の1以下になったが、利益構成比でみればこれまでの店とは比べようがないほど良くなったのだった。

-K社長

「コロナ前に大型店を閉めたのは本当に正解だったと思います。休業要請の際は移転先の店を閉めていましたが、営業再開後はお客さまが大きく減ることはありませんでした。郊外立地ならではの地域密着といいますか、常連さま同士のコミュニティがあったからです。昔は一等立地に店を構えることは、店が大きければ大きいほどステータスがありましたよね。でも今は、規模が大きければ大きいほど大変だなと思います・・・。うちの会社は昔みたいに大きな売り上げはありません。でも、お客さま同士の距離は近いし、利益率は良いし、自分の時間も増えた。最初は不安な気持ちもありましたが郊外に出店してホント良かったです。変化を繰り返すたびに忘れちゃいけないことを思い出すこと、これが大切なんですよ。誰のために店をやっているのか、誰のための店にしたいのか、ということですよね。これからも面白いこと、儲かることがあれば、果敢にチャレンジしていきたいと思います。」

新店舗①:ヤキトリ80 静岡市葵区七間町17−8

新店舗②:やきとり80 静岡市駿河区池田528−2

記事:スマイラー特派員
杉山俊介(テンポス静岡店)