テンポスの創業社長、森下篤史の日々、経営で感じることを記事にしていきます。
未来がわかる事はあり得ないが、「現在に在る、未来」ということはある。
二台の車で帰省する事にした。先の車は60 分前にスタートした。東名高速は、お盆休みの帰省渋滞が30キロも始まって、ドンドン長くなっているとの連絡により、もう一台は出発を5時間遅らせて、お昼頃に出発したので、渋滞に巻き込まれなかった。これは、自分の60分後の未来を予測したということになる。
生まれ育った村では、今年、12人の子供が生まれ、74人の人が死んだ。現在、2,600人の村人は、10年後には600人に減り、2,000人以下になっているかもしれん。俺の子供のころは、11,000人いた村だが、今は1/5の2,600人だ。
近未来が見えている。ここまで減ってくると、役場もやる気をなくして、為すがまま。黙って消えゆくのを待つのみ。だが、人口減を食い止めるのではなく、減って行く村人の生き方は、ある種高齢者の生き方に似ている。体の衰えを受け入れながら、充実した人生を送っている人はいくらでもいるからだ。
将棋指しの有段者と、下位の者が対局すれば、下位の者が打った手を見る限り、近未来は見えている。我々のビジネスライフにおいても、先週の7日間をどう生きたかで、この1年間は決まっている。まさに未来は見えていると言える。会社経営において、突然の出来事でこうなってしまったなどと言うのは、数少なく、予定された近未来に向かって、予定通りの線路の上を、予定通り進んでいるにすぎない。
250㎝の高さを跳んで、オリンピックで金メダルを取ることが最終のゴールなら、そのための中間ゴールは、200㎝を跳んで、日本代表に選ばれることである。小ゴールは、自分が192㎝の記録を持っているなら、195㎝を跳ぶことである。最終ゴールの前に小ゴールがある。
195㎝を跳ぶ小ゴールをクリアする為に、毎日やることが徹底項目である。例えば一日30回、195㎝を跳んでみる。195㎝を跳んでみると言うのは、飛び越えるのではなく、トライするだけであるから、やろうと思えば誰でも出来る。意思さえあれば。毎日毎日30回づつ跳んでみる。誰でも出来る。能力はいらない。
① 相変わらず毎日30回づつ飛び続ける。
→効果に結びつかなくても誠実に真面目に練習を続ける
②飛ぶ回数(量)を増やす。50回にするとか、朝晩30回づつやるとか。
→効果がないなら別のやり方をする。スクワット、腹筋、栄養管理、フォームの研究してみる。
成功するか不成功のままかの別れ道は、いつまでも 上記の①を続けて、② のやり方に変更しないからだ。成功した人が嬉しくて自分のやってきたことを説く人が多いが、そんな成功者も、いろんな手をうってみて、うまく行かないことを続けた末に成功させていることを見抜かないといけない。成功者の中には、①のやり方をやっているうちに、上場してしまうこともある。そんなものの話を聞くのは時間の無駄。失敗を繰り返した末の成功者の話を通して ② を続ける以外成功はないと知るべきである。② を続けていると、先が見えなくなり、途方に暮れる時がくる。それは、いよいよ成功に近ずいてくると、神が凡人を振り落とす為に「途方に暮れる」時を作っているからだ。成功できない人は途中で諦めて成功者の仲間から見事に振り落とされてしまう。
努力を続けていて途方に暮れる時がきたら喜べ!もう一息。自分の仕事を振り返ってみれば、努力を続けていて途方に暮れることはほとんどない。途方に暮れる程のテーマに取り組んでいないか、没頭してないかのどっちかである。①を続けているか、②に変更しているか。ここでもはっきりと未来が分かってしまう。
株式会社テンポスバスターズ
取締役会長 森下篤史