年商3億円を売り上げた男が明かす 「0.2秒と6秒」ラーメン店繁盛の法則

津気屋

ラーメンが嫌いな人に会ったことありますか?今やラーメンの魅力は日本だけにとどまらず世界中に広がっています。家族全員おじいちゃんから赤ちゃんまで、本当に幅広い人に喜んでもらえる、ラーメン店の客層は拡大の一途。
25坪で月商1200万円、3店舗で年商3億円を売り上げる津気屋 創業者の榎本岳幸さんが解き明かすラーメン店を繁盛させるキホンのキ。

津気屋 創業者 榎本岳幸さん

ラーメン店がオープンしたらほとんどの近所の人が1回は食べに来てくれます。これがラーメン店のオープニングの特徴だということを知ってください。だからチラシなんか撒いてセールスと言って集客しちゃうと、ただでさえ人が来るのにもうむちゃくちゃになっちゃいます。オペレーションが固まるまでは宣伝しなきゃいいんです。オープン日にチラシを打つ必要はありません。

立ち上げはサイレントオープンすべし

実は、ラーメン店のオープン前に試作で一杯だけ作るのと、営業中に作る一杯は全く違います。本当の営業状態でないと商品は作れません。だからオープン日が初めて本当の商品を作るということなのです。しかも慣れない営業体制とオペレーション。お店をベストな状態に仕上げるには、営業しながら調整するしかないのです。スタート時点で100点満点の商品、サービスを提供できないのに人を集めちゃうとどうなりますか?ラーメンの広い客層も裏目に出ればダメージは相当大きなものになります。

ラーメンは営業状態で作る商品と
試作で作る商品の差が大きいことを知るべし

多くのラーメン店は、オープン月が一番売れて、その売上を超えることはできません。だんだん落ちていく客数、売上げを3ヶ月目ぐらいから持ち直してオープン月の売り上げを超えられるか、が繁盛するラーメン店の特徴です。

3か月目からのV字回復に徹すべし

そのために、津気屋では必ずアンケート用紙をお店に置いています。塩分濃度やスープの濃度などお客様の嗜好性についてアンケートを行い、その場所で売れる商品に仕上げていくのです。作りたいラーメンを提供したい気持ちは確かにあるでしょう。けれども売れる商品に仕上げるにはゆっくり回転させなければなりません。その土地でその場所で繁盛する商品は何なのか?というのを何度も調整しながら完成させるのです。

スタッフ

売れるラーメンはお客様といっしょに作るべし

すごくシンプルに売上を上げる接客のコンセプトが津気屋にはあります。それは、レストランやバーと違って非常に滞在時間が短いラーメン店、しかもお客様との接触頻度は食券預かりの時と商品提供の時、この2回しかありません、時間にすると10秒もないのです。

0.2秒と6秒を徹底すべし

お客様が扉を開けた瞬間0.2秒で挨拶をすること。ラーメン店は他の業種に比べて常連客の比率が低いのが特徴です。すごく不安な気持ちで入ってくるお客様に良いお店なんだなと思っていただくためです。そして食券を受け取る時、お客様と必ずアイコンタクトを取りながら6秒間笑顔を続けること。第一印象は6秒で決まるからです。この0.2秒挨拶と6秒スマイルは必ずハマります。

扉が開いた瞬間の反応が遅くなればなるほどお客様の不安感は増します。第一印象が良いか悪いかによってお客様の頭のなかにフィルターが形成されるのです。これは例えると青いサングラス(良い印象)をかけるか赤いサングラス(悪い印象)をかけるかは入店して扉を開けて6秒以内に決まってしまうということです。いったんかけたサングラスはもう外れません。赤いサングラスをかけてしまうとずっと赤色に見えてしまうのです。

だからちょっとラーメンを出すのが遅れても、「(青いサングラスをかけていると)一生懸命作ってくれてるんだ」と感じるか「(赤いサングラスをかけていると)ラーメン一杯作るのにふざけんな」と感じるか、その違いは大きいです。

ウェルカムを徹底し、6秒の中でお客様と複数回アイコンタクトが取れれば確実にお客様の心をつかめます。津気屋は、このプロの笑顔を身に付けて年商3億円を達成したのです。

■取材協力
一般社団法人日本ラーメン技術者協会 埼玉県さいたま市桜区上大久保706-1
℡ 090-7725-9968
https://jrea.jp/

記者:スマイラー特派員
谷口光児(テンポス広報部)
Smiler53号 ラーメン特集