罪を犯した店長が立ち直る可能性に懸ける

レジの金を盗んだ店長に立ち直らせるチャンスを与えて、真人間になる確率は?

親友が、自分の婿をあさくまで使ってくれないかと言ってきた。
面接を受け、試用期間を過ぎて、店長の報告は「意欲的で期待できます」とのこと。即採用した。
3~4年で頭角を現して、エリアマネージャーまでになった。
あさくまのストックオプションも、800万くらいは貰えるほどの評価を受けている。
そのマネージャー担当している店舗の従業員から、自分達の貰えるはずの達成報奨金がもらえてない。との問い合わせが入った。
マネージャーが着服したことが判った。

本人から弁償します、その上で依願退職したいと申し出があった。
「馬鹿たれ!弁償は当たり前!懲戒解雇!

その上でお前の選択肢は2つ
1つは警察の世話になり罪を償うか、もう一は、その店にパートではいり、誠実に身を粉にして働き、お前が濡れ衣を着せた従業員達の赦しを得るまで勤め上げるかだ」
泣きながら「すみませんでした、やらせていただきます」
と涙をポタポタ落として、手をついた。

それから本人の報告に基づて、着服総額を確定した。

親友に、「婿が立ち直るかどうかは、嫁とお前ら親の接し方によるよ。俺はチャンスを与えるつもりだから、フォローを頼むよ。」
「お前の懐の深さに感謝する、今婿と俺とで泣きながら再生を誓ったところだ」
「今はお前ら2人は、テンションが上がって、どんな困難も乗り越えて、立ち直ろうぜと言ってるだろうが、親としてのお前の役目はこれからだ。
奴がパートで店に戻る、みんなの前で泣きながら再生を誓う、3日経ち10日経って、パートの中には腹の底では許してくれない人がいる。
従業員に、俺が説明して頭を下げて、もう一回こいつに立ち直るチャンスを与えてやってくれと言っても、理屈は分かるからみんな 「はい」と言ってくれる。
気持ちの整理ってのは人それぞれ、みんなして暖かく迎えてくれるってことはない。
そんな中で、つまり 針のむしろ の中で 誠実に身を粉にしてったって、2ヶ月も3ヶ月も続くもんじゃあない。
そのうちに奴は店に来なくなる。
その時だぜよ!親のお前の出番はよ。
教職人生40年の積み上げたモノを、大事なテメイの婿の人生を救うために、ぶっつけてくれよ。
俺は、チャンスを与え、遠くで見ているしかない。
お前と娘が救うしかない時がくるからな。
見守ってやってくれよ」
「ありがとう、ありがとう」