4月23日に愛媛県今治市のイオンモールにオープンした、インドカレー“ぞうのはな”のオーナーは写真家、高橋耕治氏だ。
高橋氏が飲食に関わり始めたのは3年前。スーパーのテナント担当者からテコ入れをしたいインドカレー屋があると話を受け、高橋氏が現地の料理人を手配した。インド料理なのにナンが焼けない、ルーはレトルトを使っているという点で、お客から不評を受けていたという問題点を抱えていたところに、高橋氏が本場のシェフを手配したのだ。アメリカで写真を学んでいた経験もあり、現地とのパイプや英語が話せるという点で、料理人との面談や手配において役に立った。ぞうのはなの料理長は、カタールのシェラトンホテルの副料理長の経歴を持ち、当初の課題であった、料理の改善という点で力を発揮してくれたと話す。
調理人としては素人の高橋氏。料理に関して口を挟むことはないと話すが、スタッフのチーム作りを大切にしている。海外では、仕事は完全分業が当たり前。そのため、当初は、店内が込み合ってきても、各々自分の調理担当が終われば、他のスタッフの手伝いをしていなかったためサービスレベルを下げてしまっていた。自分の仕事だけをしていれば良いと考えるスタッフに、手が空いたら他のスタッフの仕事を手伝うようにと教えることは大変で、「カレーを作っていても、手が空けばサラダの仕込みをしてください」と初歩的な事を粘り強く伝え続けた。
チームで協力しあうようにと伝える一方で、店舗運営は各スタッフが働いてきたレストランの問題点、良かった点を聞き出し店舗運営に生かしている。また、月に2度、スタッフを連れて和食店やイタリアンに連れていき、味付けや接客を見せ、日本の飲食店文化の知識や味覚を知ってもらうようにしている。
今後の展開を伺うと、「彼らが引退するのは、早い人で40歳、遅い人でも50歳。今のスタッフの平均年齢は37歳ですから、これからの時間は長いようでとても短いです。だからこそ、今は2店舗ですが、今よりも早いスピードで店舗展開をしていきたいです。それと同時に働くスタッフが引退した後に、本国に帰っても何か仕事をしたいという気持ちがあれば、そんなポジションを作ってあげられたらなと思っています。そのため、一年以内を目途に海外で別事業を立ち上げたいと考えているところです」と話す。現在、56歳の高橋氏。共に働く従業員の幸せを強く願い、チャンスは逃がさず、掴み取っていきたいと熱く語っくれた。
ぞうのはな
愛媛県松山市千舟町3-1-7
089-941-1257