理想を求めて瀬戸内海へ。ゲストハウス+飲食で循環型社会の実現へ

人口6,900人。愛知県今治市に属し瀬戸内海に浮かび自然豊かな“大三島”に、オーガニックゲストハウス&カフェ“OHANA(オハナ)”が今年の4月にオープンした。1階がオーガニックカフェ、2階がゲストハウスだ。1階のカフェでは島の有機栽培で育てた食材や柑橘を使った、島野菜のカレーやフレッシュジュースを提供し、2階は今治市のオーガニックのタオルや寝具を使い、ゼロ・ウェイスト(ごみゼロ)のゲストハウスを目指す。

OHANAのテーマは循環型社会。限りある資源の中で、今あるものを消費していくのではなく、今あるものを豊かに、次の世代に伝えていきたいという思いを込めOHANAをスタートした。

OHANAの代表、藤田氏にとって縁もゆかりもない愛媛の大三島に何故出店をしたのか理由を聞くと・・・

「循環型社会の一つとして、例えば自給自足という環境を次世代にどのようにして残していくかと考えた時に、自給自足を実践する場として、東京ではなくこの島の方が実現に近いと思い選びました」と話す。もともと、07年から東京で“ふろむあーす&カフェオハナ”を運営しており、そのステップアップとして大三島にOHANAを出店したのだ。

店舗は購入物件、資金は愛媛県のUIJターン補助金制度と日本政策金融公庫の融資を利用した。

島に外国人観光客が少しずつ増えている一方で、島人の高齢等によって観光人や島の人が食事をするところは意外と少ない。OHANAはゲストハウスがメインではあるが、宿泊する人、観光客、島の方が食事に利用できるよう、酵素玄米やオーガニック、ヴィーガン対応の軽食、スープのセットメニューを取り揃える。島の物、特にオーガニック製品や食材を使うことにこだわりを持ち、取材中も、島の農家の方が無農薬の梅を持ってきていた。「これからの時期なら梅酒にして出したいですね」と藤田さんは笑みを浮かべる。

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スタッフは藤田さんを入れて3名。1人はアルバイト、もう1人はボランティアスタッフだ。ボランティアスタッフは旅をしている中で、ちょうど大三島にいたところを、宿泊と食事付きという話でボランティアとして働くようになった。普通の飲食店ではあまり聞かない話だが、ゲストハウスではこういう事が多いようだ。

今後は、カフェやゲストハウスに来たお客様と島の人を繋げてワークショップやライブ、イベントを開催していきたいと話す。藤田氏自身も一歩ずつ島の方に溶け込んでいき、外から来た人と島の人を繋いでいきたいと話す。そして島の物を島で消費し、島でどれだけの循環ができるか挑戦していきたいと話してくれた。

オーガニックゲストハウス&カフェOHANA in 御島
愛媛県今治市大三島町宮浦5341
0897-82-0023

Smiler31号