坂本龍馬 25~32
高杉晋作 25~33
幕末は この二人に代表されるように、30才前後で国を動かすような仕事をした人が多い。
西郷隆盛や、勝海舟も、30~40で活躍をした。
「志」が大きくて、目先の損得でなく「国」の将来を見据えて尚且つ、外国からの情報が桁違いに多かった。
「志」と情報の多さにより、考える事が普通の武士とは、まるで違った事をやった。
明治初期の一般人の情報量(知識の総量)は、現代の5歳の子供の知識の総量と同じだと言われている。
そんな時代だから、長崎で教育を受けた人や、欧米人と直接接して来た人は、その時代の一般人にしてみれば、この人は一体何を言ってるのでしょう。人を煙に巻くようなことばかり言って。となっても不思議ではない。
当時の人にとって計り知れないような知識を持った人で、「志」があったなら、変化のない幕府の老中などは、60過ぎたとは言え経験が全く訳に立たない時代であったと言える。
今のテンポスは、会社中が幕末の動乱期に似て、
入社3年目の小林千秋に言った。
「テンポスの新店を新しいスタイルで立ち上げる。客は内装業者。
田舎の農家と言うテーマで居酒屋を作ろうとすると、鎌、鍬、ミノ、大八車の車輪、大きなものなら水車小屋。のような小道具を揃えなくてはならぬ。
内装屋は骨董屋を周り、農家に行き、農協にいきして、やっとの思いで道具を集めている。
ウェスタン調の店でステーキ屋を作ろうとすれば、カウボーイハットから始まり、馬の鞍、カンテラ、水筒など、かき集めなくてはならぬ。
テンポスが、そう言ったものを一箇所に集めておけば、内装屋は大助かり。
農家、ウェスタン、パブ、南の海辺、江戸時代の長屋、レトロ調昭和夕日が丘三丁目。
様々なテーマに合わせた小道具を集めた店にする。
千秋お前その事業を立ち上げろ!」24を超えたばかりの娘に言った。
「飲食店の装飾品は、新品も相当集めなくてはならぬ。500坪の店に中古の小道具以外に、新品をコンテナ単位で買い集めろ。」
「五反田の卸しセンターに行ってカタログをもらって来ましたが、集めるものはこんなものでよろしいでしょうか?」
「物はそれで良いが、見積もりを取れ。」
「50%OFFでいれてくれるそうです。」
「待てマテ、その店にあるすべての在庫を買っても全然足りない。5回位買わないと500坪の店が、さみしいものになっちまうぜ。
お前はその店の誰と話をしたんだ。」
「店長です。」
「店長なんかでは、話にならんぜよ。その店は40年か50年やっていて、店のもの全部を5回も売った事なんか無いよ。
店長では話にならん、社長をお願いしますと言え。
こんな小娘だと馬鹿にしているとどでかいチャンスをなくすよと言え!どでかいチャンスといえよ。どでかいって言わなかったら意味無いよ。
「どでかい!」
「そうだ!そうだ。店長にテンポスのホームページをその場で見させて、安心させてから、新規事業なので、私が責任者ですと言え。偉い人を連れて来いと言われたら、私がその事業の責任者ですから他にはいませんと言え。
もう2~3社回って見積もりをいただきますので、期日までによろしくお願いしますと言って来い。」
こう言いながら、俺は65才で幕末にいたらどんな役をやってたのだろうと、思いを馳せながら24の千秋に、、交渉の仕方を教えた