６４歳だから、後４０年くらいしかない。この１０年くらい、特にその考え方をするようになってきた。
自分の抱えているプロジェクトが多ければ多いほど、価値ある一日ということについて考える。
仕事に疲れてきた訳ではない。
人生で一番充実している今だからこそ、そこんとこを考えるようになってきたと思う。
自分としてはゴルフ三昧、釣りに明け暮れているとか、憑かれたように海外旅行にでかけるのは
価値ある一日とは思えない。絶対条件として仕事が充実していること。
内容よりも充実していると感じるような取り組み。その上でどう生活するか。
私が目標にしている人が 二人いる。
一人は６歳上の義兄。サラリーマン時代から生活を楽しんでいるようだった。
畑を借りて、野菜、果物、釜を作って、竹炭を焼いたり、船の免許をとって、中州に出て、蛸・あさりをとる。
仲間を連れて、茸狩。森の中で茸なべ。今年は蜜を６キロも取って、巣箱を１０箇所も置いてある。
味噌は作る。梅酒はもとより、ジュウス・ジャム・漬物はもうきりがない。
私の実家の百姓の手伝いに来ても、夏の暑いさなか、昼休みをもうちょっとなんて思っている俺をおいて、
一人で 畑に行ってしまう。怠け者を感じて気恥ずかしい思いで兄貴の後をついていく。
もう一人は 豪傑経営者。俺と同じ年。高松から東京のテンポスに弟とハーレーに乗って来た。
友達３人でヨットで香港に行く途中、時化に遭って、船がひっくり返りそうになったが、
死ぬかもしれぬその状態が、とても面白かったと「がッはっは」と笑う。
大きなホテルなどの面白そうな引き上げは自分が必ず出向く。
テンポスの店では売れないようなそのホテルのオーナーのキャンピングカーやら小型のパワーシャベルまで
持ってきて、人の良い熊ちゃんと大工にタバコを一箱ずづつやって、
三人で引き上げ品でログハウス風の海の家を作っちまった。土地は熊ちゃん提供。
この夏、森下塾生８人、２泊３日でお世話になった。
社員に元漁師・元寿司店長。漁船で結構大きな鯖・鯵・オコゼ・色んな貝をとって、
鮑のバター焼き、鯵の南蛮漬け、 あっというまに鮮度抜群の海鮮料理。
見ていても 不思議なのは 社員は仕事なのか遊んでるのかよくわからない。
一方で 豪傑社長は浄化槽会社を買収して、全国に納品しているし、
そのメーカーを買収。テンポスのＦＣはもとより、不動産、内装、小型テンポスとしては我々本家よりも
うまくやっているすごい男だよ。
熊ちゃんからメールがはいった。三人で瀬戸内海にヨットセールにでた。
二泊三日の初日の夜、小さな港の居酒屋で一杯。豪傑がころんで脚をおってしまった。
熊ちゃんの「帰ろうよ」を聞かないで、腫れた脚のまま翌日も一泊して、大漁の蛸を持ち帰った。
妻が怒って、豪傑の頭に蛸を乗せた。