中小企業の社長は孤軍奮闘して「一代限り」で終わるのが宿命なんだ

ビジネスアスリート 森下篤史

テンポス規模の会社(売上300億 利益22億)で「片腕がいますか?」と問われるとあたふたとして、後継者育成が課題ですという。
誰に教わったか、社員が30人を超えてくると、社長に変わる人を育てることが、課題になってくると思い込んでしまう人が多い。
特別な業界、特殊な形態の企業は別として、中小企業には将来を託せるような人材は集まらないのが現状である。自分の会社を、よそから見て、託せるような人材が入社したくなる様な会社かどうか。いつか採用できるかもしれないと、少年の様に夢を追い続けて、採用活動をする必要はあるし、諦める事もない。

ただ、冷静に、統計的に効果的な時間の使い方から判断すると、我々のやるべき事は来るはずのない人を求めることに時間を使うのではなく、売り上げ・利益の上げるために効果的なことに時間を使うべきである。

「片腕、後継者を育てる」等という事がいかに無駄なことかというと、ふらっと立ち寄った社員しかいないのに、その中から後継者を育てることに無理がある。

社長の仕事は「孤軍奮闘」して、夜も寝ないで働いて儲かるようにする。そのうえで待遇も良くして、良い人が「立ち寄ってくれる会社」にすることなんだ。

社長は、経営の勉強してはいけない、馬鹿を集めて全員参経営加などするもんではない。
身を粉にして働く気もない人を集めて「働き方改革」などするもんではない!

社長の仕事は「孤軍奮闘」して、儲かる会社にしなくてはならない。儲かる会社になって初めて「待遇改善」「働き改革」我々が勉強して良い会社にしようと思っていることを、思いっきりすれば良い。

それでも「託せるような人材」が立ち寄らなかったらどうすればいいかって?
元々中小企業は、社長が「孤軍奮闘」して「一代限り」の宿命なんだ。「託せるような人」が入社してきたら、奇跡が起こったと喜べば良い。奇跡を頼みにする様なものは経営ではない。「一代限り」の宿命を背負って、不満も言わず一人で頑張る。ファミリー経営なんて「幻想を捨てなさいよ」