吉田社長
常連様からの「ワインが飲みたい」というお声が多く、今までの居酒屋業態や炉端業態だと、その需要が拾えないからというのが大きいです。もともと、居酒屋業態だけでなく、大衆酒場やしっとり飲めるような客単価の高い懐石料理等、いろいろ挑戦したい気持ちは持っていました。しかし、チャレンジしたいことはたくさんありましたが、段階が大切です。そこで、いきなり肉という完全な洋業態は出店せず、2014年4月に、イタリアン炉端バルの「ROBATA幸」をオープンしました。この店のコンセプトは、「“和×洋”のお箸で食べるイタリアン炉端バル」です。初めての洋業態ですので、今まで培ってきた炉端焼きや、同社の強みである魚料理といった和のテイストを入れました。コンセプトの“お箸”にも「気軽さ」という想いを込めています。ありがたいことに、今ではROBATA幸は月坪50万円の売上をあげており、このでの成功を経て「肉ビストロ 灯」をオープンしたという経緯です。この店には和のテイストは一切いれず、客単価は5~6千円、きちんと美味しいお肉とワインを、男性2人でも気軽に来れるビストロに狙いを定めました。
吉田社長
カジュアル系のバルとの差別化を考え、レストランとまではいかなくとも、落ち着いた雰囲気にしたくて、店内には、あえてボトルワインは飾りませんでした。今から肉業態というのは業界では後者ですので、肉へのこだわりはもちろん、ワインをどう売り出すかを考えました。そこで、別室にカーブをイメージしたワイン倉庫を設け、お客様に倉庫の鍵とランタンを渡し自由にワインを選んでいただくという、今までにない遊び心をくすぐる仕掛けを取り入れたんです。
遠藤店長
とても好評いただいております。ボトルワインを注文いただいた際は、「店内にボトルは置いておりませんので、このランタンと鍵を持ってワイン倉庫に選びにいっていただけますか?」と伝え、ワインと鍵をお渡しします。ワインの倉庫内は薄暗くなっていますので、お客様はワインのラベルにランタンの光を近づけてお好きなワインをお選び頂きます。ボトルには値段を記入してありますし、ワインそれぞれに、「鴨肉に合うワイン」「チーズにお勧め!」といったPOPを書いていますから、ワインを選ぶことはそれほど難しくはないはずです。基本的には、スタッフは倉庫にはついて行かず、お客様に自由にお選び頂くスタンスです。特にカップルのお客様、団体のお客様には、その体験を楽しんで頂いていますね。男性2人のお客様の「次の合コンで使えるな!」という会話も耳にすることも多く大変嬉しく思っております。
遠藤店長
一番は、既存店の常連様の口コミですが、SNSの力も強いです。肉業態を初めて出店してみて分かりましたが、SNSでの肉の反応はすごいですね。ほとんどのお客様は、看板メニューの「豪快トマホークステーキ(1.5kg牛リブロース)」(8800円)は写真を撮ってSNSにアップされています。もちろんワイン倉庫もネタにしていただいてますね。
吉田社長
ワイン業態を始めるから、ソムリエ資格を持つスタッフを入れるという考えはありませんでした。立ち上げスタッフである店長含め、2~3名が勉強中ですが、自分たちで勉強して、ノウハウを蓄え、新しいものを作り上げていく、これが一番面白いことだと思っているからです。
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「私は同じ店を作るのが好きじゃないんですよね。これからも、新しいことにチャレンジし続けていきたいと思います」と語る吉田社長、その周りには、生き生きとしたスタッフの笑顔。取材後もミーティングという堅苦しいものではなく、友達同士でワイワイ盛り上がって、店について語り合う光景が印象的だった。
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■出店年表
2007年11月 ろばた焼き 絶好調てっぺん
2009年4月 炙縁
2009年8月 魚串炙縁
2012年8月 ろばた 翔
2014年4月 ROBATA幸
2015年5月 燗アガリ
2016年7月 肉ビストロ 灯
2016年8月 焼鳥けいじ
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■店舗情報
肉ビストロ 灯
東京都新宿区西新宿7-16-3 2F
03-5332-5298
運営:株式会社絶好調
記事:2017年1月
Smiler33号より