津波対策とはいえ、日本国中が、のんびりとしたものであった。
女房と紀州白浜に1泊して、バスで、JR白浜駅に向かう途中、ところどころに、鉄骨のやぐらの上に、町内の老人が座り込んでいる。宴会をやっている様子でもない。
午後の5時頃 白浜駅は、切符売り場に行くのもやっと、ごった返していた。oお昼から、列車が、ストップ。再開の、めどが立たず。
改札で、5人の男が、駅員の、首を掴みかからんばかりに、大声で、怒鳴っている。其処を中心にして、人だかりがしていたわけだ。
やたら声がでかいだけで、さっぱり要領を得ない
真面目そうなだけで、生きてきた駅員
「ですから、私に権限がありませんので、へんじができません」
「だから,駅長を出せと、いってんじゃぁねぇか」
聞いて見ると
昼の、12時半から、1時間ごとの、特急指定券をもっている人が、自由席の人と、同じ扱いをされていることに、腹を立てているようだ。
2時半の指定券を持っている人が、駅に着いたとき、すでに駅に来ている自由席の人が並んでいる
其の後ろに並ぶのが、納得できない。
4時半5時半の、指定券が、2時半の指定券よりなんで前にいるんだ。
先に着いた順に、並べるなら、指定券じゃないじゃないか
「ですから、其の該当の、列車が、来ない以上,其の券は、むこうです。」
気が弱そうな割に、言い切っている
責任をとる気もないくせに、規則だからって、言い切っている態度が、少しくらい、つるし上げてもらった方が、本人のためになるぞ、なんて見ていたが、いつまでたっても、大声発生コンテストが終わりそうもない。
ここは、俺の出番
話に割って入った
「確かにあんたたちの言うことは、一理ある」
大事なことは、大声を出してる人の言うことを、先ず同意してやる、これで俺の言うことを聞く、状況が出来る
「みなさぁん、此の人たちの言う通り、指定券の順に並んでもらいます。
まず、12時半の指定券の人たちいましたら、一番前に来てください、」
5~6人が来た。他の人を押しのけて、一番前に並べた。
「12時半がいなければ、次は、1時半の指定券の方」
「はいはい」
「押さないで、押さないで、安心してください、席は全員にいきわたるようにしてありますから」
「次は、2時半の方、」
日本人は、なんて素直何だ、秩序を大事にするすばらしい国民だ
だってそうだろうよ、
俺の服装、
海辺に魚網の、繕いが終わって、焚き火に当たっている漁師、
首に、手ぬぐいを巻いて、灰色だか、薄青いだかの、ジャンパーと、魚臭いような、よれよれのズボン。
まるで地元の、漁師風のいでたち
其の時のおれの、姿がそれ
群集が冷静に俺を見れば、「漁師が、なに、でしゃばって!」
にもかかわらず、群集は三列に並んだ、並びきれない人、30人ほどが、駅から、はみ出した。
ただ、一番前にいた、自由席の女4人が、動こうとしない、
「あんたたちは、指定席の人の後です」
「何で、あんたがそんなこというのよ」
「並んで並んで」と言いながら,乳をかるくもんでやった。
「さわらないでよ!」
群集は、何をしているか分からないし、見た目は、地元の漁師だし、
俺の頭は、冷静だ。もう一回揉んだら、張った押されてしまった。
欲に、目がくらんでしまった。