商店街は、滅ぶ必然性を内在して居る

商店街再生の道はあるか 絶滅に向かってのも知らないで、息をして居る物たちへの警鐘

下田の商工会議所で、講演をした。
旅館再生 旅行者をいかにして、増やすか。
旅館組合の、招きであった。
組合は、減少を続ける旅行者を、いかにして増やすかに躍起になっていた。
「躍起になっていた」
ここんとこが、判断の別れるところで、「躍起になる」なら、増やそうと躍起になるかと言えばそうでもない。
自分たちが、やりやすい範囲で躍起になる。客は増えるが、其処迄はしたく無い。
この条件の中で「躍起になって」みている。
この条件とは
「 抜け駆けをしない」これが条件である。
グループ会社が、繁栄する組織になっているか、滅亡する組織かの判断条件は、組織が、競争を妨げていないか。をみればよい。
グループ会社の、内装をやっている「スタジオテンポス」も、二年目にして年商20億を超えて来た。
テンポス各店で、気ままに出入りの内装屋に、仕事を出していたのを、「スタジオテンポス」に、一本化した。
内装の仕事が、増えるに従って、クレームが増えて来た。
管理能力も無く、丸投げをするのだから、クレームが増えるのは、必然であった。
そこで、管理の一元化を、図るため、「スタジオテンポス」が、発注管理をする事にした。
当然発注管理料として、3%の手数料を上乗せした。
テンポスの、子会社のステーキレストラン「あさくま」が内装工事を発注する段になり、取引先の、内装屋に、仕事を出そうとすると、「スタジオテンポス」に、3%の、管理料を払わなくてはならぬ。
グループ会社を大事にすると、コストが余分にかかって、組織の競争力が、落ちてしまう。
「あさくま」の立場からすれば、安いところに発注したい。
安いところに、発注出来る組織になっていることが、その組織が、絶滅し無いための大事な条件である。
グループ会社を取るか、組織の競争力を取るか。
テンポスでは、グループ会社を捨てて、組織の、健全性を保つために、「安いところに発注せよ」
社員の中には、グループの意味がないではないかと言って、高くても「スタジオテンポス」に、仕事を出そうとするのがいる。
統括している俺としては、大変有難いが、作り上げた売り上げで、グループ会社を支えていると、
競争力がなくなり、いつしか、グループ会社全部の力が落ちてくる。
他社に負けるグループ会社は、残しておいてはいけない。
旅館組合の、競争原理が働かない組織では、旅館同士が仲良く、滅びる事はあっても、繁栄する事はあり得ない。
工夫は、競争の中から生まれる。抜け駆けの中から生まれる。
この60年民主教育が、行き届き、「出し抜く」なんてことは、やってはいけない事のように刷り込まれてきた。
日本国中の「滅びに向かっている商店街」は、「出し抜く」よりも、もっと難しい物を内在している。
「絶滅因子」だ。
癌細胞と同じでたちが悪い。悪さから言うと、癌より数倍たちが悪い。
「商店街再生」に向けて、動き出したとする。
有志の若者が、たちあがった。何度も何度も集まって、ああでもない、こうでもない。
たたき台が出来て、商店会をひらく。
「夢街道」3日間のイベントを進めようと提案する。
入れ歯のおじいが、身体が弱くて、3日も付き合ってはいられないと言う。
一瞬にして、都合20日間もかけて作り上げた「夢街道」吹っ飛んでしまった。
「絶滅因子」の恐ろしいのは、「商店街再生」に賛成しているので、癌細胞のように、見分けがつかない。
然も、絶滅に向かっている「商店街」の構成メンバーは、誰もが、「絶滅因子」を持っていて、
提案の内容によっては、誰もが、癌細胞になってしまうからである。
「鎖の理論」
1トンの、耐荷重の鎖を、左右に、トラックで引っ張ると、ちぎれる時がくる。
5メートルの鎖が切れると言っても、一つ一つがバラバラになるわけではない。
5メートルの鎖の中の「たったひとつ」が切れてしまっただけで、その鎖は切れたと言う事になる。
高速道路のサービスエリア 「時間が遅れていますので、買い物はしないで、トイレタイムとしますので10分でもどっ下さい」添乗員の、必死の叫びも虚しく、うどん を食っていたお婆が戻ってきたのは18分後。
一人の遅れがすべてを決めてしまっている。
1年365日真面目に働いていたパートが、たった1度 レジの金を盗んだ。たった一度。
たった一度を捉えて「泥棒」と言う。真面目にやった365日は、一瞬にしてすっ飛ぶ。
商店会の若者の、何日もかけた企画も、「鎖の理論」により、一人の発言ですっ飛んでしまう。

我々自身の中に「滅亡因子」を内在してはいないか!
然も其れは「鎖の理論」に従ってはいないか。
「滅亡因子」を破壊する細胞は、「エネルギー」
「エネルギー」の使い方も大変重要。
一つには、やり続ける事が出来るか。
やり続けることは、滅亡因子になる。回りにいっぱいいる、善良な、誠実な社員は、大部分が絶滅危惧種である。
黙々とやるだけで、目標に向かってい無い。期日もなく、やる。
やり続けるだけでなく、工夫をしているか。
二つには、工夫を続けられるか。
工夫の出来る人で、成功しない理由は、「目端が利く」人である。
チョコチョコで、何とかしのげる才を持っているために、ひたむきになれない。愚直になれない。
40才を過ぎてくると、チョコチョコでは済まなくなってくるが、既に遅い。
予防するには、「工夫を続ける」 続ける、ひたむきに続けて、いると、滅亡因子が滅ぶ。
この二つを統括しているのが「志」「目標」である。この3点セットがあれば、時に「滅亡因子」に侵される事があっても、「絶滅危惧種」ではなく、
「繁栄種」となり、人類を、明るい未来に導いて行く一員に成れる。