300万の機械を売り込んでいた。
200万の機械でも、十分だとは自分では分かっていた。
何回かの面談で、この客はどうも機械好きで、効率よりも立派な機械を持ちたい、と言う観点で
決定をするんじゃないかと言う気がしていた。
結局、失注した。
他社から、750万の機械を購入した。
売り込んでいる俺が貧乏人なので、客の気持ちが分かっていなかった。
まさか、750万もの金をぽんと出すとは思えなかった。
明らかに過剰設備で、200万で十分だと説得を続けるべきか、経営のことが分からない経営者に。
以後俺は、買うのは客だ。客の買いたいものを見極める練習をした。
この客は何に金を払ったのか。
俺は、勘違いをしていた。
客は、機械を使って、人手を減らし、経費削減、利益増大、をしたいのかと思っていた。
この客は本人さえも知らない理由があった。
「何のために機械を、購入するんですか?」
「経費削減、利益増大」 と言うに決まっている。
だったら、200万で十分だ。なぜ、750万もの金を、だすんだよ。
彼が買ったものは 「ステータス」だ。
機械を持っていることが嬉しい。それから、何回か失注しながらも、だんだん分かってきた。
買いたいもの。
利益、ステータス、立派な経営者と言われたい、従業員に喜ばれたい、将来の夢、安心(信頼)。
これを見極めると、セールストークが、変わってくる。
ここに来て、これでいいのか。客が欲しいと言ったら、過剰設備でも売るのか。
テンポス理念。
大手の荒波を受ける中小零細の堤防になる。
とち狂って、経営の合理的目的から外れたような観点で、投資をしようとする人に導くべきなのか。
そのために、失注しても良しとするのか。
他人の心配をしてやるほど、テンポスは、余裕があるのか。
名酪と言う会社がある。「スジャータ」 褐色の恋人、コーヒーに入れるフレッシュで、一世を風靡した。
「スジャータ」の宣伝費が何十億もかかっていた。其の宣伝費を使って、健康食品を無料で配っている。
何年も、何万人に!その心意気や良し!!いつテンポスは、そんな会社に成れるのか!
本当の顧客満足とは、現実問題、テンポスは顧客不満足の解消が優先課題なのに、
そんなことを、考えている暇は、ないだろう!
いつか、スジャータに、負けないような、かいしゃにするぞ!