「私も応援しなきゃ」と思い、行ってきました
「活龍大衆麺処 真壁屋」は、2021年4月3日オープン。芝山店主のFacebook投稿から、このお店のコンセプトを引用させていただきます。
―引用
コロナの影響がまだまだ残るこの時期にオープンさせる新ブランドで、私にどんなことができるかと考えて「ラーメンで恩返し」と「ラーメンで支える」この2点に絞りました。
コロナの影響で食べるものにも困っている学生の話を聞き、家族で行くラーメンも贅沢になったと言う話も聞きました。さまざまな生産者様も、まだまだコロナ前の出荷量には戻らなく苦しい状態が1年以上続いている話も聞きました。たくさんの話を聞いて今、天辺ダッシュカンパニーが真壁屋で最大限できることのメニューを考えた結果、
1,お手頃な価格
2,全てのラーメンで国産小麦100%の麺を使用
3,野菜は地場の物を使う
4,その他の食材や調味料もできるだけ国産の物を使用します。
そして最後に、券売機の右下に100円の「ありがとう」と書かれているボタンを作りました。
これは今、本当に食べるものにも困っている方がいましたら、100円で「ありがとう」のチケットを買ってください。それをスタッフに渡すときに好きなラーメンを言っていただければ、そちらのラーメンを提供いたします。これは、年齢関係なく学生からご家族までご利用いただけます。(悪用だけは本当にやめてください)
ただご利用にあたって2つの約束事をしてください。
1,通常の生活に戻り、食に困らなくなるまで恥ずかしがらずに何度でも使ってください。
そして、同じような状態の人がいたら、ぜひこの「ありがとうボタン」を教えてあげてください。
2,通常の生活に戻り、外食ができる余裕が出来てきたらラーメン屋に限らず、よく行っていたお店や、馴染みのお店に行ってください。どの飲食店も、あなたが戻ってきてくれることを心待ちにしています。店名の真壁屋は、私が生まれ育った真壁町に感謝を込めて店名に使用しました。
(引用終了)
100円ボタンの件、紹介するかどうか迷いましたがラーメン好きの方は普通の食券を買っていただけると思い、その店主の想いを知っていただくために紹介させていただきました。応援したいお店です。(もちろん100円だと赤字ですがそれを企業がかぶるのではなく、店主が自腹を切るのだそうです。)
そんな話を聞いて、「私も応援しなきゃ」と思い、行ってきました。閉店間際(時短営業のため20時終了)でしたが筑波大学の学生で賑わっておりました。私のようなおじさんが基本メニューの中華そば390円のラーメンを食べに来たら恥ずかしいくらい(笑)。そこで、せめて支払いだけは多めにしようと思い、券売機に千円札を入れ、中華そばの特製(いわゆる全部入り)を注文。それだけだと申し訳ないので餃子も。ボタンを押したつもりだったがまだ点灯しているので再度押した。食券を確認したら餃子が二枚(笑)。特製中華そばを頼み、餃子を二皿頼んでも千円でお釣りが来るのです。いやはや。少しだと申し訳ないと思って頼めば頼むほど、更に申し訳なくなるという無限ループ。
しかしながら、そのクオリティたるや、まったく他のお店と遜色ない。本当に「恩返し」の価格なんだな、と思える味わい。スタッフも元気良く、活気ある店内。涙が出てきました。
みなさんに「このお店に食べにいってください」とは言いませんし、言えません。こういうお店があると言うことをお伝えしたいと思い、ご紹介させて頂きました。
店名:活龍大衆麺処 真壁屋
住所:茨城県つくば市天久保2-6-26
記事執筆
大崎裕史(おおさきひろし)氏
(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンショー実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2021年5月末現在約13,500 軒、約27,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)などがある。