東京は学ぶ場、そして地元は商売の場

貝と日本酒をウリとした店『粋な海鮮酒場 ものっそ』をオープンさせた中井氏、飲食店開業を志し先ずは東京に渡る。十数店舗展開する外食企業のバイトからスタートし、その後、社員に昇格。およそ4年間に渡り現場仕事、マネージメント力を身につけた。その後、実績を買われ、同社のバックアップの元、四谷に独立店舗を2店舗開業し経営をはじめる。その経営する2店舗をわずか一年足らずでもともと勤めていた会社に経営譲渡をし、そもそもの目的であった独立開業に向け、高松に戻り早速物件探しをはじめる。

物件探しから、現場、店舗開発、運営に至るまで東京で学んだ中井氏は、その知識と経験で、帰郷後ほどなくして、福田町に物件を探し当て昨年7月にオープンさせた。そこで、この地で展開した業態は、地産地消、地酒、郷土料理といったものではなく、全国の貝と日本酒が味わえる店だった。瀬戸内の食べなれたそれではなく、全国の新鮮な魚介を楽しめる店、つまり、『飲食店=非日常』をテーマに、観光客や一見狙いではなく、サラリーマン層を中心としたリピーター客を狙う。

東京と高松の違いについて、中井氏は「もちろんビジネス的には東京が優位であることが多いですが、どちらにも良さがあると思います。例えば、東京は人が多い分、注目されるのは早いですが、廃れるのも早い。その分、高松という土地では、顧客を掴むのに時間はかかりますが、一度掴むと継続性があります。その分、高松では一度信用を失うと、周辺の客からもそっぽを向かれるという難しい面もありますが。」と語る。

また、ものっそでは、2階スペースを100分1,500円で生ビールから焼酎、カクテルまで、セルフ飲み放題とした一風変わったサービスを展開。宴会、パーティーニーズに応え、グループ客の囲い込みに成功している。

今後の展開については、「東京はおろか、県外の出店も今は視野にありません。人材共有、顧客の回遊といったメリットを活かした、同じ圏内での他業種展開を考えています。」と語る。付け加えて、FC展開について問うと、こちらも「あまり興味はありません、自分自身、業態やメニュー考えたりといった、店舗作りが好きなので。」と笑う。取材後、営業中のものっそを覗くと、生き生きとした笑顔の中井氏が店の中心となり接客を行っていた。

粋な海鮮酒場 ものっそ
高松市福田町9-6
☎︎087-821-2829

Smiler30号より