オーナーさんはカレー好き
色んなお話を聞かせていただいたのですが、一番印象に残ったこと、それは、オーナーさんはラーメンよりもカレーが好きだったってこと!(笑)これって常連さんでも知らない情報ですよ。すごく親近感を感じました。
もともと、会社勤めをされていたオーナーさん。いつも決まった時間に決まった場所に行って、決められたことをやる毎日。もともと自分の力で何か新しいことをしたい!との”アツい”思いを持たれていたそうなんです。
そんな時、たまたま高校時代の友達がラーメン屋をやっていると聞いて、なんとなく興味があったので、餃子を焼いたり、皿洗いを手伝ったりするうちに、飲食に目覚めたとか。
そうこうするうちに、オーナーさんは身内の居酒屋でラーメンを作らせてもらうようになります。ほぼ独学で作ったラーメンです。しかしそのラーメンが〆のラーメンとして人気だったことより、思い切って会社員を辞めてラーメン店のオーナーになりました。ただ、当時オーナーさん的にはしっくりくるラーメンではなかったそうです。そんなことを相談していた別の友達からウチのラーメン屋にバイトで来ないか?と誘われ、思い切って店を閉めて半年間のラーメン修行に行かれたのでした。そして出来上がったが現在のラーメンなのです!心のモヤモヤもとれ、行ってよかったと。
心のモヤモヤってどんなことなのか知りたかったので聞いてみたところ、「ラーメンを作っている時って、試食を必ずしなければならないよね。でも、試食を重ねるうちにだんだん、毎日食べても飽きないラーメンを作りたいと思ったんだ。その時『自分はどんなラーメンを作ってお客さまに喜んでいただきたいか』という視点が欠けていたのが分かったよ。それがはっきりした時、モヤモヤが無くなったように思います。」なるほど、聞いている私までスッキリしました。
テイクアウトやって良かったぁ~
3月にコロナ騒動が起こり、緊急事態宣言の期間、お店は一時休業されました。その間、お客さまからテイクアウトはしないのですか?と問い合わせを受けて、ラーメンのテイクアウトって果たして出来るのだろか?と半信半疑のままとにかくやってみることにしました。
常連さんの多い「博多らーめんうしじま」さんです。その中に酸素マスクをされた常連さんが週に2回来店されていたそうなのです。ところが緊急事態宣言が解除され、お店が再開されてもその常連さんは来店されません。どうしたのかな、と気になっていたある時、テイクアウトをよく注文されるお客さまとなにげない話をしているとなんと、あの酸素マスクの常連さんのお父さんだったのでした。子供さんのために毎週テイクアウトを注文してくださっていたのでした。
当初は、ラーメン屋がテイクアウトなんて・・・との考えもあったそうですが、今はテイクアウトをやって良かった!と話してくださいました。コロナが心配で外出できない、でも「博多らーめんうしじま」のラーメンがどうしても食べたい!私も経験ありますが、外食のテイクアウトってなんかワクワクしちゃいますよね。
コロナがきっかけではないですが・・・
平日の夜も人気ですね!と話すと、お伺いした日が、「博多らーめんうしじま」の感謝デーで、「今日はいつも以上にたくさん来ていただきましたね。」と話している中で、従業員のモチベーションをあげる為にどんなことをされているかが気になりました。すると土日の出勤をパートさんにお願いする時、時給100円UPされているそうです。ただし、以前は4人だったところを3人で回す。その代わりに、1日の目標金額を達成すると報奨金を出すように決めると、思わぬ効果がありました。
パートさん達が、店内のPOPを手書きで作り、インスタ等の管理までしてくれるようになったのです。今回の感謝デーは、新商品の告知を兼ねていたのですが、インスタでしか告知しなかったそうです。それでも予想以上の来店客数に、SNSのすごい効果を実感されていました。
今後の多店舗展開も視野に入れているということで、バイトの人達が店長としてやっていけるような環境を作りたいと熱く語っていただきました。今年11月、開店されて13年目を迎える素敵なラーメン店です。
取材協力
熊本県熊本市東区花立3-33-3
電話 096-369-3006
松崎保子(テンポス熊本店)