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出会いは調理師専門学校
昭英さんと智子さん。共に福島県郡山市にある日本調理技術専門学校の卒業生です。実はこの二人、在学中に結婚した学校でも話題のカップルでした。知り合う前からお互い飲食店を経営するつもりだったのですが、ゴールインしたことで「自分たちの店を持ちたい」という気持ちがさらに高まったということです。
学校で学んだこと、それは食を通じて人々を幸せにすること。一人でなく二人で力を合わせれば、より多くの人を幸せにできるのではないでしょうか。お二人を見ているとそんな気がします。
食の新たなニーズやトレンドを生み出すという事
Nichoを卒業した二人は、開業に向けてさっそく動き出します。というのも35歳までにゼッタイ店を出す!と決めていたからです。そのためにはとにかく経験を積むこと。自分たちの店がたくさんの人たちに愛されるにはどうすればいい?料理の好みなんて人それぞれ。俺の料理で全ての人を唸らせて見せる、なんてことは考えずに出来るだけお客様一人ひとりの好みに寄り添った料理を提供して「美味しかったよ、ありがとう」と言ってもらいたい。そのためには、料理人としての引き出しを出来るだけたくさん持っていることが重要ですよね。
というわけで、奥さんの智子さんは和食にこだわらず、エスニック、カフェなどいろんな店で料理を美味しくする術を学びました。奥さんに負けず劣らず昭英さんも寿司、一品料理、小料理などの飲食店で修業を積むだけでなく、魚市場、仲卸でも働くという徹底ぶり。この経験がのちに花を開くことになります。急がば回れ。やっぱりこれですね。飲食店を開業する、自分たちの店を持つ。明確な目標があるから、焦ることなくゴールに向かって課題を一つ一つクリアしていけばイイのです。
団地の中にあって「ごちそうさま、ありがとう」に溢れる店
昭英さんの元に魅力的な物件の話が舞い込んできたのは昨年の8月頃でした。そこは二人で始める店としてはちょうどいい広さ。使い勝手もいいし、立地も申し分ない。しかし、世の中思い通りにはいきません。きっと智子さんが厄年だからだ!とそこはあきらめて、気持ちの切り替えが早い二人は、次の物件を探しはじめました。
いろいろ見ている中で心引かれたのがここ、希望が丘住宅の物件でした。「ここならお客様は上の団地に住んでいる人たち。お客様一人ひとりに向き合うことができて、料理で人と繋がっているんだという実感を持つことが出来るんじゃないかって。」と昭英さんは言います。団地に住む子どもから高齢者まで幅広い客層、それぞれに喜んでもらえて「ごちそうさま、ありがとう」って笑顔で言ってもらえるには「やっぱり居酒屋でしょう」。もちろん二人で決めました。
工夫を凝らした一品料理。寿司だけではない名物料理の数々
飲食店はすべて人で成り立っている商売です。市場で働いていた関係で、とびっきり活きのいい魚を仕入れることが出来るのも、これまでいろんな店で修行させてもらったから。感謝の気持ちを伝えよう、と開業のお知らせをするとみんなお祝いに来てくださったそうです。嬉しかったでしょうね。「人と人が繋がることの大切さを改めて勉強させていただきました。」きっとお二人がきちんと筋を通したお付き合いされてきた結果だと思います。
二人で考えたというメニューはどれも、つい注文したくなるものばかりです。『酢飯チャーハン』『ベジ足りてる?サラダ』『角煮唐揚げ』など、バリエーションも豊富です。これなら毎日通っても飽きないでしょうね。そして僕がいちばん気になったのは『お魚パフェ』。常連さんは必ず締めに注文するそうですよ。コロナの影響も住宅地だったおかげで、逆に新規のお客様を呼ぶきっかけになったそうです。テイクアウトのお弁当を始めたところ、こちらも大好評。自粛中のお客様はもちろん、特に子育て中で外食に行けないお母さんに喜ばれているとか。
お店やりたいな~ではなく、店をやる!とハラを決めること
今回、お二人のお話を聞いて、開業するためには「お店やりたいな~」ではいつまでたってもお店を持つことはできないということを学ばせていただきました。そして昭英さんは「飲食の世界はやったもん勝ち、やってみてダメならその後、もう一回頑張ればいいよ。結局人生、死ぬまで勉強なんだから、店を出してやっとスタートラインに立つことが出来たと思えばいいんだよ。」とても説得力がありました。やりたいことだらけでしょうが、くれぐれもお体には気をつけて頑張ってください。テンポスも応援しています!!
福島県郡山市希望ヶ丘14-3 市営希望ヶ丘住宅15棟
Tel. 024-973-8071
目黒竜彦(テンポス郡山店)