美樹さん、あなたはすごい!!

全国で約4000カ所あると推定されているこども食堂。東京都大田区にある気まぐれ八百屋だんだんの店主が2012年にスタートさせたのがきっかけだと言われています。秋田県内でもNPO法人などが取り組んでいますが、月数回の開催にとどまっています。こんな現状に疑問を感じ「淋しい時はいつでもウェルカム」なこども食堂の運営を始めたBistro NoMoCaの佐藤美樹さんをご紹介します。

家族揃って食事ができないこどもたち

一般的なこども食堂は月1回または月2回が多く、運営側が気負わず無理なく続けられる程度の活動に留まっています。参加費はこどもについては「お手伝い」などの条件付で無料としている所が最も多く、有料の場合でも50円から500円までで、保護者など大人はこどもより割高に設定されている場合が多いようですね。

本来は貧困家庭や孤食のこどもに対し食事を提供して、安心して過ごせる場所を提供するために始められたこども食堂。そのほとんどが母子での参加で、孤立しがちな母親が同世代と交流できる場所として機能することが多く、地域によっては一人で家の中にいるよりは、といって来店する高齢者が増えているのもこども食堂の特徴になっています。

もっと気軽に利用して欲しい

そんなこども食堂を月数回のイベント的な開催ではなく「寂しい時はいつでもウエルカム」な場所に出来ないか、と考えて実践しているのが秋田県大曲市にあるBistroNoMoCaの佐藤美樹オーナーです。

「こども食堂を運営するのは地域のボランティアの人達がほとんどなんです。開催場所は公民館などの公共施設、宗教法人の間借など、調理環境が十分に整ってなかったり場所を借りる際に使用料が必要だったりと、企画から実行まで多くの労力と時間、スタッフが必要となってしまうので寄付や協賛、行政の助成なしではやっていけないのが現状なのです。」

これは運営側のエゴではないだろうか、自己満足なのではないだろうか。ことさら孤食、貧困などと言うから、こども達やシングルマザーの方達が参加しづらくなるのではないだろうか。そんな想いがあったという佐藤オーナーは、気軽に利用できるこども食堂を営業中の店舗に併設することにしたのです。

挑戦は始まったばかり

こども食堂の運営には約4割の食堂が年間10~30万円の費用が掛かっていると言われています。これらの運営費は国、都道府県、社会福祉協議会からの助成金を利用し運営しているところもありますが、費用の全てを助成金で賄う事は難しく、廃業していく食堂も多く

あるそうなのです。佐藤オーナーは独自のアイデアで一切の助成給付を受けずに「店舗の営業時間内であればいつでもウェルカム」なこども食堂の運営を目指しているのです。

挑戦は始まったばかりです。「大曲こども食堂」の認知を町中に広め、多くのこども達に楽しい食事を無料で提供する活動の輪を広げていきたいと考えています。話を聞かせていただいた特派員の香西も非力ながら協力を続けていこうと決意したのでした。

取材協力
ビストロノモカ
秋田県大仙市大曲丸の内町9-8マル六ビル1F
TEL: 0187-88-8975

記事:スマイラー特派員
香西 剛(テンポス盛岡店)