新規開業で大切なこては6ヵ月分の運転資金を現金で持っておくこと

なぜ資金調達が大事なのでしょうか。35年間、飲食店開業のお手伝いをしてきた吉川武幸さんにお聞きしました。

大切なことは6か月分の運転資金としての現金を持っておくこと

先日、「開業して4カ月、移転先として居抜物件を探してほしい。」というお客様がいらっしゃいました。新築ビルの1階25坪、スケルトン物件を借りてイタリアンを開業された方でしたが経営が、うまくいかず閉店を考えてのご相談でした。

一般的に創業してから黒字になるまで6、7カ月かかると言われています。日本政策金融公庫公庫さんの調査によると、創業してから1年後に黒字化できている飲食店は全体の61.8%、残りの38.2%は赤字で経営を続けているというデータが出ています。それくらい飲食店経営は厳しいということですよね。

だからこそ、最初はなるべく費用をかけずに開業し、運転資金を残しておかなければいけません。スケルトン物件は魅力的ですが、居抜物件なら内装工事費を半分くらいに抑える事もできます。

食器洗浄機、あると便利ですよね。ですが最初は我慢して、工事の時に電気水道設備は確保してき、経営が軌道に乗り始めたら購入すべきだとすすめています。いずれにせよ、黒字化するまでの6カ月間を乗り越えるためには、6カ月分の家賃・光熱費・食材費等を運転資金として残しておきましょう。開業後にお金を借りることは非常に難しいです。

新規開業時に融資してくれる日本政策金融政策公庫でさえも、開業後の審査はかなり厳しくなります。銀行にいたっては門前払いがほとんどです。そのため、開業費用に余裕があったとしても資金を調達しておきましょう。日本政策金融公庫は公共機関が運営しているため、利率も安いですし、無担保・無保証で資金を借りることが出来ます。

しかし、資金を調達するためには、しっかりとした創業計画書が必要です。先日1500万円の融資が決まった経営者の方(総菜店)には、綿密な事業計画書に加えて、なぜ店を出したいのか、どんな風に地域に貢献していくのか、プロフィールだけでも3枚用意して面談に臨むように話をしました。それだけ事前の経営計画は大事ですし、計画を立てるためには、自分がどんなお客様にどんな料理をいくらで提供するのか、またそのための内装や販促はどうするのかしっかりとコンセプトを決めておくことが重要になります。

いろんな飲食店に足を運び経験することが大事

新規開業をする前にコンセプトを決めることが大切だと話しましたが、決めるためにはいろんな店を見て、経験を積み重ねなくてはいけません。飲食店はどれだけ効率的に経営できるかと、どれだけお客様に満足してもらえるかを追及してことが大切です。この「効率経営」と「顧客満足」の観点からいろんな店を見て回って、なるほどと思ったことはとりいれましょう。

例えば、経営効率でいえばシンクに水を張って氷を入れビールをどぶ付けにして、お客さん自身に取ってもらうようにすることで、少人数で運営しているというお店もあります。顧客満足の観点でいえば、げそのかき揚げで有名な立ち食いそば屋ではテーブルにアンケートを置き、回収したアンケートには店主が赤字でどんな改善をしたかを書き加えて壁に張り出しているんです。1杯350円のお店ですが、工夫して取り組んでいるんです。

お金をかければ顧客満足も生産性向上も簡単にできてしまいます。しかし冒頭でも話したように、経営が軌道にのるまではできるだけ無駄なお金は使わないような努力をしなければいけません。お客様の姿が見えなくなるまでお見送りをしている飲食店さんに対して、「そんなことまでする必要があるのか」と思われる方もいらっしゃるようですね。他の店がやらない事、違う事をするから繁盛するんです。

だから、お店を開業する前までにいろんな飲食店を見て回って食べて頂きたい。必ず飲食店を始める方にとって大きな力になります。

これからお店を開業される方が、長くお店を続けていけるように、これからもお手伝いし続けていきたいと考えています。

取材協力:株式会社テンポスバスターズ 吉川武幸

記事:オト

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