地元香川をはじめ、四国全域で知らぬ人はいない?うどん県を代表する看板娘『るみおばあちゃんの池上製麺所』。空港のお土産にもなっている池上製麺所のうどん、そのパッケージには、お馴染みの、るみおばあちゃんの笑顔がある。TV番組をはじめ、メディアでも多数取り上げられ、地方からも大勢の客が集まり行列ができることでも有名、うどんブームを牽引してきた一人と言っても過言ではない。83歳にして、うどん打ちの一線からは退いたものの、看板娘として今もなお、お土産のうどんを販売したり、常連や遠方からの客に笑顔で接客したりと現役バリバリだ。
笑顔が絶えず、おしゃべり好きな、るみおばあちゃんの店は、およそ半世紀近く前に高松市内の小さなうどん店としてはじまった。過日、他界したご主人と二人三脚で切り盛りしてきたという池上製麺所は、開業当時から近所の常連客で賑わったという。そしてうどんブームになると、行列は店の外をぐるりと囲むまでになり、お世話になったご近所さんに申し訳ないと移転を余儀なくされ、10年ほど前に、やや郊外の今の場所に店を移す。それでも、車やタクシーに乗ってまで、るみおばあちゃんのうどんを求め、連日客足が絶えず、午後の2時を過ぎるとうどんがなくなり閉店となるほどの賑わいだ。
そんな、るみおばあちゃんの元に弟子入りする職人志望者も多く、数えたことはないが、50人は下らない、というから驚きだ。「この子にゃ店は無理だねえ~と、旦那と言っていた子(お弟子さん)が、立派に東京で店持ってねえ~、結婚式に呼ばれて東京にも行ってきたのよ」と、嬉しそうに語りはじめると、「うちの旦那は正直者で働き者でねえ、申し分のない人だったのよ。ただ酒飲みでねぇ~」、「うちの息子は医者になってね~」と、話が尽きない。
そんな、誰からも愛される、るみおばあちゃんの池上製麺所は、一番弟子?である、お孫さんが後を継ぎ、るみおばあちゃんのうどんと出汁を守っている。うどんを打つ姿を見守り、微笑む姿が印象的だった。
るみばあちゃんの讃岐うどん 池上製麺所
高松市香川町川東下899-1
☎︎087-879-2204
Smiler30号より