いつまで教えれば身につくのだろう。日暮れて、道遠し。

羊の集団のリーダーだけでも、狼にしようと、店長の「狼研修」を始めて、4ヶ月
「狼研修」と云ったってたいしたことをやるわけではない。
今月は来店客の40%からメールアドレスを貰いましょうと決めたとする。
その指示にたいして、あさくまの店長は90%位は取り組みをする。
テンポスの店長は60%以上がやろうとしない。
ここでいう「やろうとしない」とは、朝礼で伝えただけ。週一回位の頻度。
その結果アドレスを貰った実績が2~3%にみたない。
この程度を「やろうとしない」グループにしてある。
その程度しかやらない店長でも、報告を聞く限り、やりましたと言う。
テンポスでは、取り組みましたとか、やってみましたとかを聞いているのではなく、
取り組んでみて3日でも4日でもすれば、成果が出たかでなかったかすぐ分かる。
3日経っても成果が出なければ、今やっていることを量を増やすか、別のやり方を加えるか教えてある。
にもかかわらず、月末2%の結果に終わったと言うことは、他のやり方を「やろうとしなかった」。
目標に向かって工夫をし続けていない、平均値に達しない店長は「やろうとしない」グループにしてある。
毎月店長に「目標達成」のための、実行項目(作業)を決めさせて、成果につながってない時には、次の手を打たせるように指導している。
2年間やって来たあさくまと、狼研修をやり始めて4ヶ月のテンポスの店長の実行度に、90%やるあさくまの店長と60%がやらないテンポスの差が出ている。
4半期であさくまは、182%アップの経常利益 テンポスは136%アップである。

子供の頃、浸て針、タコ糸にでかい針をつけて、山ミミズを餌にして、夕方あちこちの淵に放り込んでおく。10個も20個も、最後の浸て針を放り込む頃は暗くなるときもある。
朝4時過ぎに、弟と二人して川に行って、一本一本たぐり寄せる時のドキドキ、ほとんどはハズレだが、でかい魚や、鰻がかかっていると、もう嬉しくて早く帰って、お袋に見せたかった。

我々の仕事は毎日「浸て針」を放り込んでいるようなもんだ。
目標達成のための、毎日の実行項目をやらせる。成果がないとなれば、別のことをやらせてみる。
従業員と一緒になり、こうしてみようよ、ああしてみようよ。
翌日うまくいったか報告が待ち遠しくないのか。ワクワクしてどうなったか知りたくないのか。
浸て針 とおんなじで、20本投げ込んで置いても、2~3本にしか魚がかかってない。
その2~3本が嬉しくて、毎朝4時起き。
店長は、毎日 毎日一日の終わりが待ち遠しくないのか、うまくいった報告を受けて、ニンマリしないのか。
こんな楽しみのある仕事を、義務と責任にしてつまらない仕事にするなよ。

狼研修を始めてまだ4ヶ月のテンポスの店長
「貴方の競争店舗はどこですか、目標店舗を決めなさい」と言い続けて、4ヶ月経った3日前の狼研修。
「貴方の目標店はどこですか」
「松山店です」
ヤット間髪をいれず答えれるようになった。
「松山店が目標かい」
「そうです」
「松山店の8月の売り上げはいくらだったんだよ」
「……… 」
「松山店の前年比粗利は?」
「………. 」
「松山店に勝ったのか!」
「……… 」
「何が目標だこの野郎!」
ああ 日暮れて道遠し!