任せられない店長が泣いた

引っ張るリーダーと、任せるリーダー
引っ張るリーダーは、部下にできのわるいのが多い時には、力を発揮しやすい。
この場合は、リーダーの力量の範囲で実績が上がる。
協調性が高い、従順な集団の場合で、能力の高いのがいると、リーダーの力量プラス社員の力量になり、1+1=2となる。
引っ張るリーダーのリスク
部下に実績を上げるが、自己主張をするのがいると、いずれ、自己主張の部下が去って行くことになる。
引っ張るリーダーは、相当自分を抑えているつもりでも、意見の違いがあった時押し通し、部下に不満が残っているのに、自分は、十分に話し合ったので、納得してくれていると、思い込んでしまう。
かって、日の出の勢いだったあさくま「八熊店」の店長 島田さん20年以上のベテランおばさん。
全店平均の前年対比売上げ伸び率 112%
「八熊店」 98%
「島田さん!何故だ。」
「人に任せられないので、何でも自分でやってしまうからです。」
島田さんは、燃えやすい人なので、この一年実績が悪いのは、テンションが下がっているんじゃないかと、勘ぐってみた。
「島田さん!人に任せられないのは、今日に始まったことではない。今年数字が悪いのは人に任せられない事による問題が発生したんじゃないか。島田さん、一ヶ月の労働時間は、何時間だ。」
「215時間です。」
「人に任せられない店長が、215時間の訳がない。サービス残業をしてるだろう。本当のところは、何時間働いた?」
「250時間です。」
「なんだと!この野郎!この一年、サービス残業撲滅のために、我々が基準局に相談に行って、徹底を図ってきた。
なのに、35時間も、サービス残業をした。他の店長でサービス残業をしているのはいるのか!」
「島田っ、会社を潰す気か!。」
「すみません」
「そこまで働いて、数字が悪いのは、この一年~二年で、島田さんの代わりをやっていた力のあるパートが辞めたに違いない。いつ辞めた?」
「一年前です。」
「あんたは気がついてないが、恐らくその人があなたのカバーをしていた。
島田さんが無理な要求をして、パートが反発したときなど、その人が影でまとめていた。
島田さんは、その価値を知らなかった。
島田さんはリーダーシップのあるタイプだから、その人と、意見の合わない時に、取り入れようと
しないで、自分の考えを押し付けていた。何回も何回も。
長い間我慢していたのが、もうヤダって、振り切れてしまって、辞めたんじゃないか。
今数字の上がらないのは、然も禁止されている残業までやって、ワーストになってしまっているのは、島田さん独りの力しか使ってない。役にも立たない従順な集団は、使い易いが期待以上をやらない。
やる気のある人の中には、リーダーの気持ち良く動く人ばかりではない。
3年前の様に、どうでも良い人を集めて仕事をしても、赤字の時は、島田さん方式で良いが、今のあさくまは、独りが頑張っても、到達しないくらいの高い目標になっている。
その人がいなくなっても、必ず今の島田さんを、応援したいと思っている人がいる。
あんたは、上からものを言うだけだから、その人を見つけられないだけで、必ずいる。
夜遅くまで独りで頑張っているのは、店の人はみんな知っている。
その人を見つけろ!」
涙を拭いていた。

任せるリーダーでなくてはいけない。などと、結論づけるな。
任せるリーダーの大部分は、フォローもしない、無責任!
任せるリーダーのポイントは、次回。