長い間、さげすまれて、白い目で見られてきた、
スパゲティー ナポリタン よ!今こそ 立ち上がる時が来た!
家では、スパゲティーは、27分茹でるようになっている。
ミートソースは、5回に一回。4回は、ナポリタン27分茹で!
俺の分は、ケチャップ2倍
ところが、ひとたび 街にでると、右を見ても左を見ても、「アルデンテ」
何だお前は!家柄も悪い 学歴もない、兄弟だってろくなもんじゃあない
あまりにも素行がわるいのを、隠そうとして、「ぱすた」なんて苗字をかえて!そんな事したって、ばればれだぁ、全て分かっている、馬鹿たれめ!
しましまの短足パスタ、ガスホースを食わされるかと思ったぜ。
ひもを 縛ったようなパスタ、ガキの菓子を、出されたか!
長いのだせ!「アルデンテ」お前じゃない!半茹でのお前、一人前になって 出直せ!このやろう!
アルデンテしか知らない若者よ 小父さんの若い頃は、喫茶店で
ナポリタン、当然 軟らかい、
唇を、真っ赤にして、オリーブオイルの、入れすぎで、ケチャップぎたぎた。炒めすぎて、まるまってしまった、ウインナー 遠くイタリヤを感じながら しいたけとまるで違う 「マッシュルーム」の薄切りなんか、見つけるともう、イタリヤに行ったような気にさせる。
何処に行ったってナポリタン
途中からでてきたのがミートソース 。良い家柄でありながら、サングラスなんかしちまって、ふわふわしたスカート、頭に、風呂上りのネイちゃんが、縛るような、紐をつけ、尻を振りふり田舎に、かえってきた、身を持ち崩した長女の初枝
昔は、初枝も軟らかだった。最近は、おめぇも、かたくなになっちまった。
もう 俺の時代は、終わってしっまった。「えーいっ くそっ」
それがよ えーっ 嬉しいじゃないか 渋谷の、京成のよこっちょ
「スパゲティー パンチョ」
アルデンテってなんだ、って看板がある。思わずはいったよ。
客は、やろうばっか 口の周りをぎたぎた 真っ赤にして、ナポリタンを、食ってやがる。
「もしや、貴方たちの、フォークの使い方からみると、さぞかし由緒アル、家柄のお方と、お見受けしましたが」
「はい、我々は、いまでこそ、こんな姿になってしっまていますが、わかりますか」
「わかりますとも 父上は、65歳、40年代に大学に通われた、ナポリタン家の 末裔とおみうけもうしました」
ナポリタン家の、ご一族のかたがた、幟をつけて、渋谷「スパゲティー パンチョ」に おあつまりくだされ!
口の周りを、真っ赤にしようではありませんか!