サンラサー 有澤まりこ氏

サンラサーという名前は、サンスクリット語で「サン=集まる」「ラサ=味」という単語を合わせたもので、集まるというのは、いろんな味が集まるという意味と共に、人が集まる場所として機能したいという意味も込めたという有澤まりこさん。

有澤さんのカレーの特徴とは「毎日食べても食べ疲れない」こと。残念ながら、新型コロナの感染拡大のため現在お店は一時休業。取材はメールのやり取りとなってしまいました。送られてきた内容の一部をご紹介します。

お店が存在し続けるために

飲食店を経営するとは、それなりの利益を出して継続することが必要と思いますが、それは儲けありきの話では決してないと思っています。

飲食店というのは食事するだけが目的ではなく、すべての体験がパッケージになっていることが重要だと思っています。

例えば、学園祭で食べるたこ焼きは、学園祭に行くこと、そこでお祭り騒ぎで楽しくて、お腹すいたなー、あっ、たこ焼き食べよう!って買いますよね。そのたこ焼きは冷凍の業務スーパーで買ってきたたこ焼きを揚げただけかもしれない。でも美味しい。それは、たこ焼きにたどり着くまでの体験だったりその場の雰囲気だったりが大きく影響します。

飲食店も同じで、そのお店に行こう!と決めたときの気持ち、お店の前に立つとほのかにただよう香り、席について、メニューを見てワクワクして、実際に食べて美味しくて、お会計をして、またきてね、ありがとうねと言われ、会社に戻って、ああ美味しかったな、また行きたいな、って思わせるところまでが勝負なんです。こんなストーリーがパッケージになってお客様の頭の中にある店が繁盛するんだと思います。

今回、レシピを有料で公開されましたね

わたしにできることはカレーを作る事だけですが、それでお客様が喜んでいただけて、みんなで手を繋いで、コロナが終息した後にまた同じ場所で笑顔でカレーが食べたいね、と思いました。

うちはただの飲食店ではなくて、マリコさんと話がしたい、ちょっとホッとしたい、というようなことを達成できるような店舗づくりをしているんです(なので1日限定30食しか出せない)。店が営業できなくなった今、どうやって繋がりを維持するか、かなり悩みました。そこで、レシピを公開して、店で食べるのと同じものが作れるようにすることを考えました。レシピの金額はあえて店のカレーと同じにしました。材料費も光熱費も人件費もかからないのにどうしてこの価格なのか、正直言って高いです。でも、その価格を見て、お客様は思うんです。サンラサーでカレーを食べたみたいだ!離れていても、マリコさんと一緒にいる!

離れていますし、店もやっていませんが、それでも私たちはチームですよ、チームサンラサーですよ、ということを伝え続けていけば、お客様とは心で繋がり、この状況でも途切れることはないです。そして店舗再開したときにはみんなでお祝いができるでしょう。

取材協力:サンラサー

東京都新宿区新宿6丁目27−17 カノープス新宿 3F

記者:スマイラー特派員
谷口光児(テンポス広報部)