4日前に、母が、死んだ
葬式となると、泣く場面が、いっぱいある。
棺おけに、蓋をするんで、花束で、いっぱいにしてあげてください。
20人以上が、順番に、お別れをしながら、それぞれが、万感の、思いをこめて、一花、一花、
目を真っ赤にする人、しくしく泣く人、それぞれに、お別れをしてくれる、
一人、おお泣きする人がいた、母の顔を、なでながら、過去の出来事を伝えているんだろう、しゃくりあげながら、しゃべっているので、何を言ってるのかわからん。
いつまでも、しゃくっていても、あとに、12人待っている。みんな、段々いらいらしてくる。
そんなに泣いてくれると、目を真っ赤にした程度の人は、不人情のような気にさせる。
母が病んでいる時に、本当に一生懸命、母の面倒を見てくれた人が、しくしく程度だと、
みんなは、しゃくりが長すぎる人にたいして、生前大して、面倒もみもしないで、こんなときだけ、これ見よがしに泣くんじゃないよ。そんな気にもなってくる。
火葬場で、「最後のお別れです、心残りの無いよう、お送りください」
一人を除いた全員が、顔を見合わせて、おお泣き女の順番を最後にして、それぞれが、ややゆっくり、ぎみにお別れをした。
おお泣き女が泣き始めたら、いらいらしていた、火葬場の、人が、丁寧ではあるが、こんなの相手にしてらんない、有無を言わさず、大泣きの肩をもって、「このくらいにして」と、小さく言って、動かしてしまった
親戚衆は、「やったやった!」と、喜びにあふれ、母の「さよなら」は、大変明るいものになりました。