適材適所は言うほど簡単ではない。

NPO法人 企業内コーチ育成協会代表理事 正田佐与さんの話
あるお年寄り(女性)が、デイサービスに通っていたが、1か所目の施設では大人しい、受け身の性格の人と見られていた。

ところが施設を替わり別のところへデイサービスに行った先では、違う人格になっているという。周囲の人の良いところを認め、好奇心旺盛に問いかけ、周囲を活気づける存在になっているというのだ。

この人は前のデイサービス先では、「ボス的な人がいるのよね」とこぼしていたという。

想像すると、前のデイサービス先での「ボス的な人」は恐らく仕切りたがりのタイプの人で、自分以外の人が前面に出るとか周囲に影響力をもつことを好まなかった。それを察して、本来リーダー性のある人が口をつぐんでそれらしく振る舞わなかった。

自分でない自分を演じざるを得ないのは苦痛だったろう。だからこの人はデイサービス先を替わり、行った先ではのびのび本来の自分を発揮した。

この話は示唆的だなあ、と思った。今でも私自身にも往々にしてある、「この人はこういう人」という決めつけは危ない。
とりわけ天性のリーダー性のある人ほど、圧政的なリーダーの下では無能な人のようにふるまうかもしれない。

確かにそうだ。
俺の女房は、俺より仕事が出来る。こういう人はどんなリーダーかによって、取り組みがまったくちがってくる。
できの悪いリーダーの指導する会議では、先ず自分から発言しない。
冷たくて、リーダーを応援しようとはしない。
目的に対して何をやるかと言う時に、戦略、戦術が愚かなときには、提案をしようとはしない。
自分の決められた役割だけを、責任の範囲でたんたんとやるだけ。
リーダーのやり方に、真っ向から対立するような意見は絶対言わない。
リーダーを見捨てて、自分の仕事に閉じこもってしまう。

リーダーが変わって、納得するやり方、方針だと、家に帰って、夜中でも、2時でも3時でもやっている。
出来る部下を使うときには、能力を如何に発揮させるかにかかるし、
出来の悪い部下を使って苦労するのに比べれば、成果は全く違ってる。
出来るリーダーでも、支配的だと、出来る部下は、責任の範囲で取り組むだけだから、リーダーの力量の範囲でしか成果は出ないが、出来る部下の使い方により、成果は全く違ってる。

出来るリーダーは、自分が頑張って、自分の力量の範囲で成績をあげる人と、
自分の頑張りは、出来の悪い部下を引っ張る事に注力して、出来る部下には、
能力を発揮させて、2馬力の部署に仕上げる事をする。
俺は、ひたすら引っ張ってきたが、出来る部下に能力発揮の場を与えなかったような気がする。
これまでは、発揮する場を与えても、我慢しきれなく、発揮しないうちに、場を取り上げてきなような気がする。
ここにきて、ビジネスライフ45年で、最高に面白く感じる様になってきているのは、
能力発揮してもらえると思える人が、何人かいて、その人のやる事によって、予想外の実績、予想外の展開があり、
いっぱい真似する事があり、アスリートの中に自分をおく事が出来る状態が、始めての経験で、嬉しくてしょうがない。