店長推薦パート賞
働き者には二種類ある。
技術、実績を高い志で、上へ上へと目指す人。
これらの人は、ホールの匠、調理の匠として、全国マイスターコンテストにより毎年グランドマイスターが選考される。
各店で競い選抜され、地域で選抜され、グランドマイスターになり、毎年技術の進歩を追求する。
店長推薦パート賞は、派手な大輪の花でなく、ひっそりと咲いている日陰の花を見て、ああ足元に春が来たなぁ。
そう思わせてくれるパートを見つけて、感謝しようという賞。
その人は手洗いを済ませると、必ず洗面台の周りを拭いてくる。
急いで帰る時にも、出口のゴミ箱に溜まっていると、ゴミを捨てて帰る。
店を綺麗にするもんだなんて、人には言わずに、綺麗にするのは自分の仕事としているかのようだ。
ホールの仕事であるにも関わらず、ロッカー室の掃除をやっている。
お盆でパートが何人かいっぺんに休みを取る。
店長が困っているのを見て「店長!私10日から17日までは空いてるから」と言ってくれる。
その人は主人の田舎に行くと言ってたにも関わらず、シフト変更を申し出てくれる。
マイスターコンテストに出るほどの技術はない。目覚しく上達することもない。
困り果てた店長にとっては、涙が出るほどありがたい日陰の花!
そんな人を見つけ出して、感謝しようという賞。
今年の一位は自閉症の相馬さん
私は働き出して一年になります。
自分がお願いした休み以外は、風邪で2回休んだぐらいで、あとはがんばりました。
いろいろなことをしました。みんなにも沢山教えてもらいました。
だから庖丁も少しは使えるようになりました。
普段は洗い場で、順番に洗いながらかたずけるよ。
でも次から次へと洗い物が沢山あるから大変だよ。
たまに違う仕事をするから、少しは楽しいかも。でも他のことをやると洗い物が沢山あるから後からが大変だな。
やっぱり一番の楽しみは、みんなと一緒にしゃべりながら、ご飯をいっぱいたべれることです。
少しは成長しながら病気に気をつけて、事故にあわないようクビになるまで働きたいです。
相馬さん!あさくまで働いてくれてありがとう。
いつまでもいつまでも、健康でいてくれよ。